• ホーム
  • 脊髄内のHsp90を阻害するとERK-RSK経路が活性化されることによってモルヒネの抗侵害受容作用が促進される

脊髄内のHsp90を阻害するとERK-RSK経路が活性化されることによってモルヒネの抗侵害受容作用が促進される

Inhibition of Hsp90 in the spinal cord enhances the antinociceptive effects of morphine by activating an ERK-RSK pathway

Research Article

Sci. Signal. 05 May 2020:
Vol. 13, Issue 630, eaaz1854
DOI: 10.1126/scisignal.aaz1854

David I. Duron1, Wei Lei1, Natalie K. Barker2, Carrie Stine1, Sanket Mishra3, Brian S. J. Blagg3, Paul R. Langlais2, and John M. Streicher1,*

  1. 1 Department of Pharmacology, College of Medicine, University of Arizona, Tucson, AZ 85724, USA.
  2. 2 Division of Endocrinology, Department of Medicine, College of Medicine, University of Arizona, Tucson, AZ 85724, USA.
  3. 3 Department of Chemistry and Biochemistry, College of Science, University of Notre Dame, Notre Dame, IN 46556, USA.

* Corresponding author. Email: jstreicher@email.arizona.edu

要約

モルヒネなどのオピオイドは、有害副作用が多数あるにもかかわらず、疼痛治療に頻繁に使用される。μオピオイド受容体(MOR)シグナル伝達の調節は、オピオイド療法を改善できる可能性のある方法の1つである。マウスでは、シャペロンタンパク質Hsp90が脳内のMORシグナル伝達を調節する。本稿でわれわれは、マウスにおいて脊髄内のHsp90を特異的に阻害するとモルヒネの抗侵害受容作用が促進されることを明らかにした。マウスのくも膜下腔内にHsp90阻害薬17-AAGまたはKU-32を投与すると、熱刺激と機械的刺激の両方に対する感受性を抑制するモルヒネの作用が増強されたが、全身投与ではそのような増強はみられなかった。Hsp90を阻害すると、一次求心性感覚ニューロンが密集している脊髄後角内で、オピオイドに誘導されるキナーゼERKのリン酸化が可能になり、キナーゼRSK量が増加した。Hsp90阻害によるこうした相加作用は、くも膜下腔内でERK、RSK、またはタンパク質合成を阻害すると消失した。脊髄に局在し、Hsp90によって抑制される、MOR下流のこのような機構は、オピオイド療法の有効性を向上させるために、またおそらくはその副作用を抑制するために、利用できる可能性がある。

Citation: D. I. Duron, W. Lei, N. K. Barker, C. Stine, S. Mishra, B. S. J. Blagg, P. R. Langlais, J. M. Streicher, Inhibition of Hsp90 in the spinal cord enhances the antinociceptive effects of morphine by activating an ERK-RSK pathway. Sci. Signal. 13, eaaz1854 (2020).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2020年5月5日号

Editor's Choice

腫瘍の損は医師の得

Research Article

脊髄内のHsp90を阻害するとERK-RSK経路が活性化されることによってモルヒネの抗侵害受容作用が促進される

p53はNADH依存性転写調節因子のCtBPファミリーによるがん細胞の好気性解糖によって調節される

最新のResearch Article記事

2021年10月5日号

cAMP生成の空間バイアスがPTH 1型受容体活性化に対する生物学的応答を決定する

T細胞の4つのPGE2受容体の個別および共通のシグナル伝達ネットワークを、システムズ・アプローチから解明

2021年9月28日号

SIRPαはSHP-2を隔離してIL-4およびIL-13のシグナル伝達とマクロファージのオルタナティブ活性化を促進する

メタボロミクスによるT細胞誘導性大腸炎の活性スクリーニングから抗炎症性代謝物を解明

2021年9月21日号

ラパマイシンの範囲を超えるmTORC1の生物学を解明する