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死を誘導するRIPK1活性はpH環境によって調整される

The death-inducing activity of RIPK1 is regulated by the pH environment

Research Article

Sci. Signal. 12 May 2020:
Vol. 13, Issue 631, eaay7066
DOI: 10.1126/scisignal.aay7066

Kenta Moriwaki1,2,*,†, Sakthi Balaji1,‡, and Francis Ka-Ming Chan1,3,†

  1. 1 Department of Pathology, Immunology and Microbiology Program, University of Massachusetts Medical School, Worcester, MA 01655, USA.
  2. 2 Department of Cell Biology, Osaka University Graduate School of Medicine, Suita, Osaka 565-0871, Japan.
  3. 3 Department of Immunology, Duke University School of Medicine, Durham, NC 27710, USA.

† Corresponding author. Email: franciskaming.chan@duke.edu (F.K.-M.C.); kenta.moriwaki@med.toho-u.ac.jp (K.M.)

* Present address: Department of Biochemistry, Toho University School of Medicine, Ota-ku, Tokyo 143-8540, Japan.

‡ Present address: AbbVie Bioresearch Center, Worcester, MA 01605, USA.

要約

受容体相互作用タンパク質キナーゼ1(RIPK1)は、サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF)や他の炎症性刺激に応答して細胞の生死を決定づけるセリン/スレオニンキナーゼである。RIPK1のこのような活性は、ユビキチン化やリン酸化など、複数の翻訳後修飾機構によって厳密に調節される。本稿でわれわれは、TNFに誘導されるRIPK1依存性の細胞死に対する感受性はpH環境によって調節可能であることを報告する。われわれは、細胞外pHが酸性になると、同時に細胞内pHの低下が引き起こされ、RIPK1のキナーゼ活性化とSer166の自己リン酸化が損なわれることを明らかにした。その結果、細胞質死誘導複合体IIの形成と、その後に続くRIPK1依存性のネクロトーシスとアポトーシスが阻止された。一方で、低pHは膜に固定されたTNFR1含有シグナル伝達複合体(複合体I)の形成、RIPK1のユビキチン化、NF-κBの活性化には影響しなかった。Ripk1−/−細胞では、TNFに誘導される細胞死はpH変化に感受性を示さなかった。さらに、保存されたHis151を変異させると、RIPK1活性化のpH依存性が消失したことから、このヒスチジン残基が、pH変化に応答してRIPK1活性を調節するためのプロトン受容体として機能することが示された。これらの結果は、死を誘導するRIPK1活性を調節する予想外の環境因子の存在を明らかにした。

Citation: K. Moriwaki, S. Balaji, F. Ka-Ming Chan, The death-inducing activity of RIPK1 is regulated by the pH environment. Sci. Signal. 13, eaay7066 (2020).

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