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脊髄後角でのCbl-bによるGluN2Bサブユニット含有NMDA受容体のユビキチン化と機能修飾

Ubiquitination and functional modification of GluN2B subunit-containing NMDA receptors by Cbl-b in the spinal cord dorsal horn

Research Article

Sci. Signal. 30 Jun 2020:
Vol. 13, Issue 638, eaaw1519
DOI: 10.1126/scisignal.aaw1519

Zi-Yang Zhang, Hu-Hu Bai, Zhen Guo, Hu-Ling Li, Xin-Tong Diao, Tian-Yu Zhang, Lin Yao, Juan-Juan Ma, Zheng Cao, Yin-Xia Li, Xue Bai, Hai-Kun Chen, Zhan-Wei Suo, Xian Yang, and Xiao-Dong Hu*

Department of Molecular Pharmacology, School of Pharmacy, Lanzhou University, Lanzhou 730000, Gansu, P.R. China.

*Corresponding author. Email: huxxiaodong@lzu.edu.cn

要約

GluN2Bサブユニットを含有するN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)グルタミン酸受容体(NMDAR)は、げっ歯類では大部分の脳領域で出生後早期に広くみられる。シナプスが成熟すると、GluN2Bは徐々にシナプスから除去され、NMDARの機能とシナプスの可塑性に影響する。成熟したシナプスへのGluN2Bの異常な動員は、成人を苦しめるいくつかの神経病理に関連づけられている。われわれは、発生および炎症性疼痛時にE3ユビキチンリガーゼCbl-bがマウスおよびラットの脊髄後角ニューロンに豊富に存在し、GluN2Bの量を抑制していることを明らかにした。Cbl-bの量は、シナプスの成熟にとってきわめて重要な期間である出生後1日(P1)からP14まで増加した。Cbl-bはN末端のチロシンキナーゼ結合ドメインを介してGluN2Bと相互作用した。Cbl-bによってGluN2Bがユビキチン化されると、GluN2B含有NMDARによって媒介されるシナプス伝達が抑制された。P1からP14までの期間中にin vivoでCbl-bをノックダウンさせると、脊髄後角におけるGluN2Bの保持が持続されたことから、Cbl-bによって成体マウスのシナプスのGluN2B量が制限されていることが示唆された。しかし、完全フロイントアジュバントを足底内に注射して末梢性炎症を誘発させると、Cbl-bのTyr363が脱リン酸化され、Cbl-bはGluN2Bに結合してユビキチン化させることができなくなり、シナプス内でGluN2B含有NMDARが再び出現できるようになった。リン酸化を模倣したCbl-b変異体を脊髄後角で発現させると、GluN2Bに媒介されるシナプス電流と炎症によって誘発される疼痛症状はいずれも抑制された。これらの知見は、NMDARのサブユニット構成で表現されるユビキチン媒介性の発生スイッチが炎症によって調節不全になることを示しており、そのような調節不全が痛覚を高めている可能性がある。

Citation: Z.-Y. Zhang, H.-H. Bai, Z. Guo, H.-L. Li, X.-T. Diao, T.-Y. Zhang, L. Yao, J.-J. Ma, Z. Cao, Y.-X. Li, X. Bai, H.-K. Chen, Z.-W. Suo, X. Yang, X.-D. Hu, Ubiquitination and functional modification of GluN2B subunit-containing NMDA receptors by Cbl-b in the spinal cord dorsal horn. Sci. Signal. 13, eaaw1519 (2020).

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