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BMP-1はマトリックス細胞タンパク質トロンボスポンジン1の切断を介して細胞接着を破壊し、TGF-β活性化を増強する

BMP-1 disrupts cell adhesion and enhances TGF-β activation through cleavage of the matricellular protein thrombospondin-1

Research Article

Sci. Signal. 07 Jul 2020:
Vol. 13, Issue 639, eaba3880
DOI: 10.1126/scisignal.aba3880

Cyril Anastasi1,*, Patricia Rousselle1,*, Maya Talantikite1, Agnès Tessier1, Caroline Cluzel1, Alice Bachmann1, Natacha Mariano1, Mélissa Dussoyer1, Lindsay B. Alcaraz2,†, Laëtitia Fortin1, Alexandre Aubert1, Frédéric Delolme1,3, Naïma El Kholti1, Jean Armengaud4, Pierre Fournié5,6, Céline Auxenfans1,7, Ulrich Valcourt1,2, Sandrine Vadon-Le Goff1, and Catherine Moali1,‡

  1. 1 University of Lyon, CNRS UMR 5305, Tissue Biology and Therapeutic Engineering Laboratory (LBTI), F-69367 Lyon, France.
  2. 2 University of Lyon, Centre Léon Bérard, INSERM U1052, CNRS UMR 5286, Cancer Research Center of Lyon (CRCL), F-69373 Lyon, France.
  3. 3 University of Lyon, ENS de Lyon, INSERM US8, CNRS UMS3444, SFR Biosciences, F-69366 Lyon, France.
  4. 4 CEA Marcoule, Innovative Technologies for Detection and Diagnostics Laboratory (DRF/Joliot/DMTS/SPI/Li2D), F-30200 Bagnols-sur-Cèze, France.
  5. 5 Purpan University Hospital, Ophthalmology Department, F-31059 Toulouse, France.
  6. 6 University of Toulouse, CNRS UMR 5165, INSERM U1056, Epithelial Differentiation and Rheumatoid Autoimmunity Unit (UDEAR), F-31059 Toulouse, France.
  7. 7 Hospices Civils de Lyon, Tissue and Cell Bank, F-69437 Lyon, France.

‡ Corresponding author. Email: c.moali@ibcp.fr

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: University of Montpellier, Montpellier Cancer Institute (ICM), INSERM U1194, Cancer Research Institute of Montpellier (IRCM), F-34298 Montpellier, France.

要約

骨形成タンパク質1(BMP-1)は、形態形成時および組織修復時に増殖因子活性化を細胞外マトリックス形成と同期させる、重要なメタロプロテアーゼである。BMP-1がこれらの作用を発揮する機構は、きわめて状況依存的である。BMP-1の過剰発現により、2つのヒト細胞株(HT1080および293-EBNA細胞)で顕著な表現型変化が誘導されることから、われわれは、BMP-1がこれらの細胞において細胞‐マトリックス相互作用と増殖因子活性に同時に影響を及ぼす仕組みを検討した。BMP-1の増加により、マトリックス細胞の糖タンパク質であるトロンボスポンジン1(TSP-1)に依存する細胞接着が消失した。BMP-1は、VWFC/プロコラーゲン様ドメインと、いくつかの重要なTSP-1機能を仲介する1型リピートとの間で、TSP-1を切断した。この切断により、TSP-1 C末端ドメインの細胞外マトリックスからの放出が誘導され、以前に報告された、TSP-1のHT1080細胞のヘパラン硫酸プロテオグリカンおよびCD36との多部位の協同的相互作用が消失した。さらに、BMP-1依存性のタンパク質分解によって、潜在型トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)のTSP-1を介した活性化が増強され、標準的SMAD経路を介するシグナル伝達が増加した。初代培養ヒト角膜実質細胞(ケラトサイト)では、内因性BMP-1がTSP-1を切断し、外因性BMP-1の添加により切断が増強されたが、細胞接着への大きな影響は認められなかった。代わりに、プロセシングされたTSP-1が、角膜実質細胞の筋線維芽細胞への分化を促進し、筋線維芽細胞マーカーα-SMAの産生を刺激したが、このことは、ヒト角膜瘢痕におけるプロセシングされたTSP-1の存在と一致した。われわれの結果から、BMP-1は、TSP-1が豊富な微小環境において、細胞接着の崩壊を引き起こすとともに、TGF-βシグナル伝達を刺激することができることを示しており、このことが創傷治癒と腫瘍進行に重要な影響を及ぼす可能性がある。

Citation: C. Anastasi, P. Rousselle, M. Talantikite, A. Tessier, C. Cluzel, A. Bachmann, N. Mariano, M. Dussoyer, L. B. Alcaraz, L. Fortin, A. Aubert, F. Delolme, N. El Kholti, J. Armengaud, P. Fournié, C. Auxenfans, U. Valcourt, S. V.-L. Goff, C. Moali, BMP-1 disrupts cell adhesion and enhances TGF-β activation through cleavage of the matricellular protein thrombospondin-1. Sci. Signal. 13, eaba3880 (2020).

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