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シロイヌナズナの全身性創傷シグナル伝達には2つのグルタミン酸およびpH調節Ca2+チャネルが必要である

Two glutamate- and pH-regulated Ca2+ channels are required for systemic wound signaling in Arabidopsis

Research Article

Sci. Signal. 14 Jul 2020:
Vol. 13, Issue 640, eaba1453
DOI: 10.1126/scisignal.aba1453

Qiaolin Shao1,2,*, Qifei Gao1,3,4,*, Dhondup Lhamo1, Hongsheng Zhang2, and Sheng Luan1,†

  1. 1 Department of Plant and Microbial Biology, University of California, Berkeley, Berkeley, CA 94720, USA.
  2. 2 State Key Laboratory of Crop Genetics and Germplasm Enhancement, Jiangsu Collaborative Innovation Center for Modern Crop Production, College of Agriculture, Nanjing Agricultural University, Nanjing 210095, China.
  3. 3 School of Life Sciences, Northwest University, Xi'an 710069, China.
  4. 4 School of Life Sciences, Shaanxi Normal University, Xi'an 710119, China.

† Corresponding author. Email: sluan@berkeley.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約

植物は草食動物や線虫に対して、傷ついた場所から植物全体に信号を素早く送ることで防御する。われわれは、植物が全身性創傷シグナルと呼ばれるこれらの急速に移動する長距離シグナルを生成および伝達する方法を調べた。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の根の傷に対する全身応答を測定する系を開発した。われわれは、根創傷または創傷根へのグルタミン酸の適用が、根から芽へのCa2+波および徐波電位(SWP)を誘発するのに十分であることを見出した。これらの全身性シグナルは両方とも、グルタミン酸受容体様タンパク質(GLR)をコードするGLR3.3およびGLR3.6の両方の破壊、またはP型H+-ATPase AHA1の構成的活性化のいずれかによって阻害された。さらに、GLR3.3およびGLR3.6が、グルタミン酸と細胞外の両方のpHによって制御されるCa2+透過性チャネル活性をもつことを示した。合わせると、これらの結果は、創傷がP型H+-ATPase活性を阻害し、アポプラストのアルカリ化を引き起こすという仮説を支持する。これは、損傷した師部から放出されたグルタミン酸と共に、GLRを活性化し、SWPの形で膜の脱分極を引き起こし、細胞質Ca2+の生成が増加して全身の創傷シグナル伝達を伝播する。

Citation: Q. Shao, Q. Gao, D. Lhamo, H. Zhang, S. Luan, Two glutamate- and pH-regulated Ca2+ channels are required for systemic wound signaling in Arabidopsis. Sci. Signal. 13, eaba1453 (2020).

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