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プリン作動性受容体P2Y11はTリンパ球の極性形成、ミトコンドリア代謝および遊走を演出する
The purinergic receptor P2Y11 choreographs the polarization, mitochondrial metabolism, and migration of T lymphocytes
Sci. Signal. 29 Sep 2020:
Vol. 13, Issue 651, eaba3300
DOI: 10.1126/scisignal.aba3300
Carola Ledderose, Sophie Bromberger, Christian J. Slubowski, Koichiro Sueyoshi, Dilan Aytan, Yong Shen, and Wolfgang G. Junger*
Department of Surgery, Beth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical School, Boston, MA 02215, USA.
* Corresponding author. Email: wjunger@bidmc.harvard.edu
要約
T細胞が抗原提示細胞に遭遇して宿主防御におけるその役割を果たすためには、遊走しなければならない。今回われわれは、プリン作動性受容体P2Y11のオートクリン型刺激がヒトCD4 T細胞の遊走を制御していることを見出した。P2Y11受容体は、極性をもつ細胞の前方から後方に再分布し、そこで後方のミトコンドリア代謝を減弱する細胞内cAMP/PKA情報伝達を引き起こした。細胞前方にはP2Y11受容体が欠如していることで、ミトコンドリア代謝のホットスポットとATP産生の局在化が生じ、結果的に前方でのP2X4受容体、Ca2+流入および偽足の突出が刺激される。このようなP2Y11受容体の制御機能は、その細胞内の再分布と細胞からのATP放出によるオートクリン型刺激に依存し、局在性のない全体的刺激によって攪乱された。結論として、炎症、敗血症およびがんへの応答などによって生じた過剰な細胞外ATPが、このオートクリンフィードバック機構を阻害し、それによって異常なT細胞遊走、T細胞の機能障害、および宿主免疫防御の消失をもたらすと考えられた。
Citation: C. Ledderose, S. Bromberger, C.J. Slubowski, K. Sueyoshi, D. Aytan, Y. Shen, W. G. Junger, The purinergic receptor P2Y11 choreographs the polarization, mitochondrial metabolism, and migration of T lymphocytes. Sci. Signal. 13, eaba3300 (2020).