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TRPV4チャネルの機械的活性化が近位尿細管細胞によるアルブミン再吸収を調節する

Mechanical activation of TRPV4 channels controls albumin reabsorption by proximal tubule cells

Research Article

Sci. Signal. 13 Oct 2020:
Vol. 13, Issue 653, eabc6967
DOI: 10.1126/scisignal.abc6967

Roberta Gualdani1, François Seghers1, Xavier Yerna1, Olivier Schakman1, Nicolas Tajeddine1, Younès Achouri2, Fadel Tissir3, Olivier Devuyst4, and Philippe Gailly1,*

  1. 1 Université catholique de Louvain, Institute of Neuroscience, Cell Physiology, av. Mounier 53/B1.53.17, B-1200 Brussels, Belgium.
  2. 2 Université catholique de Louvain, de Duve Institute, Transgenic Core Facility, av. Hippocrate 75/B1.75.09, B-1200 Brussels, Belgium.
  3. 3 Université catholique de Louvain, Institute of Neuroscience, Developmental Neurobiology, av. Hippocrate 73/B1.73.16, B-1200 Brussels, Belgium.
  4. 4 University of Zurich, Institute of Physiology, Winterthurerstr. 190, CH-8057 Zurich, Switzerland.

* Corresponding author. Email: philippe.gailly@uclouvain.be

要約

近位尿細管によるタンパク質再吸収の欠損は、ネフロンの上皮細胞にとって有害であり、腎症を引き起こす可能性がある。この研究でわれわれは、イオンチャネルTRPV4が近位尿細管におけるアルブミンおよび低分子量タンパク質のエンドサイトーシスを調節することを示した。TRPV4は近位尿細管細胞の基底外側にみられ、細胞伸展によってTRPV4が機械的に活性化されると、サイトゾルへのCa2+流入が誘導され、それによってエンドサイトーシスが促進された。Trpv4−/−マウスは基本条件下で軽度の近位近位尿細管機能障害を呈した。エンドサイトーシス機能について検討するために、アンジオテンシンIIの全身送達によって糸球体フィルターの透過性を変化させた。この処置によって誘導されるタンパク尿は、Trpv4−/−マウスのほうがTrpv4+/+マウスよりも重症であった。より病態生理学的な方法で糸球体フィルターの透過性を損なわせるには、抗糸球体基底膜抗体を注射して糸球体腎炎を誘発する方法がある。近位尿細管で特異的にTRPV4を欠失させたマウスでは、対照マウスに比べてアルブミン尿の重症度が高かった。これらの結果は、限外ろ過液量の変動に応じた近位尿細管の圧を感知するうえでのTRPV4の重要性を強調し、タンパク質再吸収を調節する機構を明らかにするものである。

Citation: R. Gualdani, F. Seghers, X. Yerna, O. Schakman, N. Tajeddine, Y. Achouri, F. Tissir, O. Devuyst, P. Gailly, Mechanical activation of TRPV4 channels controls albumin reabsorption by proximal tubule cells. Sci. Signal. 13, eabc6967 (2020).

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英語原文を見る

2020年10月13日号

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