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RASSFエフェクターが多様なRASサブファミリーGTPアーゼをHippo経路に結び付ける

RASSF effectors couple diverse RAS subfamily GTPases to the Hippo pathway

Research Resources

Sci. Signal. 13 Oct 2020:
Vol. 13, Issue 653, eabb4778
DOI: 10.1126/scisignal.abb4778

Thillaivillalan Dhanaraman1, Swati Singh1, Ryan C. Killoran1, Anamika Singh2, Xingjian Xu1, Julia M. Shifman2, and Matthew J. Smith1,3,*

  1. 1 Institute for Research in Immunology and Cancer, Université de Montréal, Montréal, Québec H3T 1J4, Canada.
  2. 2 Hebrew University of Jerusalem, Department of Biological Chemistry, Jerusalem 9190401, Israel.
  3. 3 Department of Pathology and Cell Biology, Faculty of Medicine, Université de Montréal, Montréal, Québec H3T 1J4, Canada.

* Corresponding author. Email: matthew.james.smith@umontreal.ca

要約

RASスーパーファミリーの低分子グアノシントリホスファターゼ(GTPアーゼ)は、複数の下流エフェクタータンパク質に直接結合することによってシグナルを伝達する。エフェクターは、GTP負荷(活性化)RASにのみ結合する折り畳まれたRAS会合(RA)ドメインによって定義されるが、160を超えるRASスーパーファミリーGTPアーゼに対するほとんどのRAドメインの結合特異性は明らかにされていない。10種類のRAドメインファミリー(RASSF)タンパク質が、関連するエフェクターの最大のグループを構成しており、RASをアポトーシス促進性のHippo経路に結び付けると提唱されている。今回われわれは、RASSF1〜6がHippoキナーゼオルソログであるMST1と複合体を形成する一方、RASSF7〜10がp53調節エフェクターのASPP1およびASPP2とオリゴマーを形成することを示した。さらに、RASSF5のみが活性化HRASおよびKRASに直接結合し、RASSFはRAS腫瘍性タンパク質の下流のアポトーシス誘導を増強しなかった。構造モデリングにより、脊椎動物におけるRASSFエフェクターファミリーの拡大には、GTPアーゼ結合特異性を導く主要な残基のアミノ酸置換が含まれることが明らかになった。腫瘍抑制因子RASSF1Aは、RAS関連GTPアーゼであるGEM、REM1、REM2、そして機能未知のRASL12と複合体を形成することが示された。さらに、RASSFとRAS GTPアーゼの相互作用によって、YAP1の核移行が阻害された。このように、これらの単純な足場が、多様なRASファミリー低分子Gタンパク質の活性化を、Hippoまたはp53調節に結び付けている。

Citation: T. Dhanaraman, S. Singh, R. C. Killoran, A. Singh, X. Xu, J. M. Shifman, M. J. Smith, RASSF effectors couple diverse RAS subfamily GTPases to the Hippo pathway. Sci. Signal. 13, eabb4778 (2020).

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