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持続的な抗原入力に対する幅広い親和性でのCD8+ T細胞応答の完全適応は共刺激によって克服される

Perfect adaptation of CD8+ T cell responses to constant antigen input over a wide range of affinities is overcome by costimulation

Research Article

Sci. Signal. 19 Jan 2021:
Vol. 14, Issue 666, eaay9363
DOI: 10.1126/scisignal.aay9363

Nicola Trendel1,*,†, Philipp Kruger1,*,‡, Stephanie Gaglione1,*,§, John Nguyen1, Johannes Pettmann1,2, Eduardo D. Sontag3, and Omer Dushek1,‖

  1. 1 Sir William Dunn School of Pathology, University of Oxford, OX1 3RE Oxford, UK.
  2. 2 Radcliffe Department of Medicine, Medical Research Council Human Immunology Unit, Weatherall Institute of Molecular Medicine, University of Oxford, OX1 3RE Oxford, UK.
  3. 3 Electrical and Computer Engineering and Bioengineering, Northeastern University, Boston, MA 02115, USA.

‖ Corresponding author. Email: omer.dushek@path.ox.ac.uk

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: McKinsey & Company Christophstraße 17 50670 Köln Germany.

‡ Present address: Novartis Pharma GmbH Roonstraße 25 90429 Nürnberg.

§ Present address: Department of Chemical Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.

要約

持続的な抗原刺激に対するT細胞応答の維持と制限は、病原体の制御と自己免疫寛容の維持のそれぞれにとって重要である。T細胞受容体(TCR)によって抗原が認識されると、T細胞を刺激してサイトカインを産生させるシグナル伝達が活性化されるとともに、細胞表面TCRの下方制御が引き起こされる。他の系では、受容体が下方制御されると、状態依存性の不活性化として知られる機構によって持続的な刺激への完全適応が誘導されることがあるが、それには受容体またはリガンドがすべて下方制御される必要である。ところが、TCRの場合はそうではない。本稿でわれわれは、in vitroで増殖させた初代培養ヒトT細胞が、TCRの部分的な下方制御で、親和性に10万倍の多様性をもたせた持続的な抗原刺激に対するサイトカイン産生に関して完全適応を呈することを観察した。これらのデータに機構モデルを直接適合させると、TCRの下方制御は不完全適応を引き起こすが、スイッチと共役させると、サイトカイン産生に関して完全適応を引き起こすことが示された。このモデルから、ペプチドと結合した主要な組織適合性複合体(pMHC)によって誘導されるTCRシグナル伝達が適応後も持続していることが予測された。われわれは、共刺激によって適応が妨げられることはない一方で、共刺激受容体CD28および4-1BBによるシグナル伝達が適応型T細胞を再活性化し、pMHCに依存した形でサイトカインを産生させることを明らかにすることで、この予測に確証を得た。さらに、この適応は第一世代キメラ抗原受容体(CAR)T細胞にも当てはまるが、第二世代CARでは部分的に回避されることも明らかにした。これらの知見は、完全適応によってT細胞応答は制限され、持続的な刺激への反応は共刺激に依存することを浮き彫りにしている。

Citation: N. Trendel, P. Kruger, S. Gaglione, J. Nguyen, J. Pettmann, E. D. Sontag, O. Dushek, Perfect adaptation of CD8+ T cell responses to constant antigen input over a wide range of affinities is overcome by costimulation. Sci. Signal. 14, eaay9363 (2021).

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