• ホーム
  • PERKの阻害によってBMPR2変異に起因する肺動脈性肺高血圧症における血管リモデリングが減弱する

PERKの阻害によってBMPR2変異に起因する肺動脈性肺高血圧症における血管リモデリングが減弱する

PERK inhibition attenuates vascular remodeling in pulmonary arterial hypertension caused by BMPR2 mutation

Research Article

Sci. Signal. 26 Jan 2021:
Vol. 14, Issue 667, eabb3616
DOI: 10.1126/scisignal.abb3616

Takashi Shimizu1,2,*, Yoshiki Higashijima1,3,4, Yasuharu Kanki1,5, Ryo Nakaki6, Takeshi Kawamura1, Yoshihiro Urade1, and Youichiro Wada1

  1. 1 Isotope Science Center, The University of Tokyo, Tokyo 113-0032, Japan.
  2. 2 Department of Cardiovascular Medicine, The University of Tokyo Graduate School of Medicine, Tokyo 113-8655, Japan.
  3. 3 Department of Bioinformational Pharmacology, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo 113-8510, Japan.
  4. 4 Department of Proteomics, The Novo Nordisk Foundation Center for Protein Research, Faculty of Health and Medical Sciences, University of Copenhagen, Blegdamsvej 3B, 2200 Copenhagen, Denmark.
  5. 5 Laboratory of Laboratory/Sports Medicine, Division of Clinical Medicine, Faculty of Medicine, University of Tsukuba, 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305-8577, Japan.
  6. 6 Rhelixa Inc., Tokyo, 101-0061, Japan.

* Corresponding author. Email: tshimizu227-tky@umin.ac.jp

要約

肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、過度の肺血管リモデリングを特徴とする致死的疾患である。しかし、治療戦略の進歩にもかかわらず、骨形成タンパク質受容体2型(BMPR2)をコードする遺伝子に変異を有するPAH患者は、重症の表現型と転帰を示す。われわれは、BMPR2ヘテロ接合体マウスにおいて、小胞体ストレス応答(UPR)に関連する3つの主要な経路の1つに関与するPER-like kinase(PERK)が、PAHの病態生理に及ぼす影響の検討を進めた。肺動脈平滑筋細胞(PASMC)のBMPR2ヘテロ接合性により、PERKに仲介されるUPRを介して、抗アポトーシスマイクロRNAであるmiR124-3pの存在量が低下した。低酸素によって、BMPR2ヘテロ接合性PASMCにおける折りたたみ不全タンパク質の蓄積が促進され、PERKシグナル伝達、細胞生存、細胞増殖、解糖が亢進した。プロテオーム解析では、PERK除去によって、低酸素のBMPR2ヘテロ接合性PASMCにおけるPDGFRβ-STAT1シグナル伝達と解糖が抑制されることが明らかになった。さらに、PERK除去またはPERK阻害により、PAHのSugen/慢性低酸素モデルにおいて、BMPR2の状態を問わず、肺血管リモデリングが改善した。したがってこれらの結果から、PERK阻害が、BMPR2変異の有無にかかわらず、PAH患者に対する有望な治療戦略となることが示唆される。

Citation: T. Shimizu, Y. Higashijima, Y. Kanki, R. Nakaki, T. Kawamura, Y. Urade, Y. Wada, PERK inhibition attenuates vascular remodeling in pulmonary arterial hypertension caused by BMPR2 mutation. Sci. Signal. 14, eabb3616 (2021).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2021年1月26日号

Editor's Choice

CD8+ T細胞の初期化

Research Article

PERKの阻害によってBMPR2変異に起因する肺動脈性肺高血圧症における血管リモデリングが減弱する

栄養制限下における機能性タンパク質のATP依存性分解の減少が、微生物の増殖状態への復帰を加速する

最新のResearch Article記事

2021年10月5日号

cAMP生成の空間バイアスがPTH 1型受容体活性化に対する生物学的応答を決定する

T細胞の4つのPGE2受容体の個別および共通のシグナル伝達ネットワークを、システムズ・アプローチから解明

2021年9月28日号

SIRPαはSHP-2を隔離してIL-4およびIL-13のシグナル伝達とマクロファージのオルタナティブ活性化を促進する

メタボロミクスによるT細胞誘導性大腸炎の活性スクリーニングから抗炎症性代謝物を解明

2021年9月21日号

ラパマイシンの範囲を超えるmTORC1の生物学を解明する