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栄養制限下における機能性タンパク質のATP依存性分解の減少が、微生物の増殖状態への復帰を加速する

Reduced ATP-dependent proteolysis of functional proteins during nutrient limitation speeds the return of microbes to a growth state

Research Article

Sci. Signal. 26 Jan 2021:
Vol. 14, Issue 667, eabc4235
DOI: 10.1126/scisignal.abc4235

Jinki Yeom1,2,3,4 and Eduardo A. Groisman1,5,*

  1. 1 Department of Microbial Pathogenesis, Yale School of Medicine, 295 Congress Avenue, New Haven, CT 06536, USA.
  2. 2 Programme in Emerging Infectious Diseases, Duke-NUS Medical School, Singapore 169857, Singapore.
  3. 3 Department of Microbiology and Immunology, College of Medicine, Seoul National University, Seoul 03080, Korea.
  4. 4 Department of Biomedical Sciences, College of Medicine, Seoul National University, Seoul 03080, Korea.
  5. 5 Yale Microbial Sciences Institute, P.O. Box 27389, West Haven, CT 06516, USA.

* Corresponding author. Email: eduardo.groisman@yale.edu

要約

細胞が栄養不足に陥ると増殖速度が大幅に低下する。本稿でわれわれは、ネズミチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhimurium)などの微生物が低増殖状態または静止期にある間にATP依存性プロテアーゼによる機能性タンパク質分解の減少が、高増殖状態への復帰を加速していることを報告する。機能性タンパク質分解のこのような減少は、細胞内ATP濃度の低下によって生じていた。とはいえ、この程度の濃度低下は、同じプロテアーゼによる非機能性タンパク質の継続的な分解を十分に許すものであった。マグネシウム、炭素、または窒素が制限された条件下でタンパク質が保存されていたことは、上記の反応が、特定の栄養素の低い利用可用性に特異的ではないことを示唆していた。しかし、マグネシウム飢餓状態の後にのみ、速やかな復帰のために転写調節因子PhoPが必要であったことから、高増殖状態への復帰のためには、特定栄養素の制限状態への反応を媒介するタンパク質が必要であった。細胞内ATPの低下およびATP依存性タンパク質分解の減少は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の静止期からの速やかな復帰も可能にしていていた。これらの知見は、低増殖状態におけるタンパク質の保持が、栄養素が利用できるようになった時点で増殖状態への復帰を促進するという、微生物に保存されている戦略であることを示唆している。

Citation: J. Yeom, E. A. Groisman, Reduced ATP-dependent proteolysis of functional proteins during nutrient limitation speeds the return of microbes to a growth state. Sci. Signal. 14, eabc4235 (2021).

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