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インターロイキン7がアデノシンによる免疫抑制からCD8+ T細胞を保護する
Interleukin-7 protects CD8+ T cells from adenosine-mediated immunosuppression
Sci. Signal. 16 Mar 2021:
Vol. 14, Issue 674, eabb1269
DOI: 10.1126/scisignal.abb1269
Altay Koyas1,*, Suat Tucer1,*, Merve Kayhan1, Ali Can Savas1, Imran Akdemir1, and Caglar Cekic1,2,†
- 1 Department of Molecular Biology and Genetics, Bilkent University, Ankara 06800, Turkey.
- 2 Division of Developmental Immunology, La Jolla Institute for Immunology, La Jolla, CA 92037, USA.
† Corresponding author. Email: caglar.cekic@bilkent.edu.tr
* These authors contributed equally to this work.
要約
ヌクレオチドのアデノシンは、固形腫瘍の細胞外に蓄積し、アデノシン受容体を活性化することによってCD8+ T細胞を阻害する。サイトカインのインターロイキン7(IL-7)は、多様な組織や腫瘍で産生され、T細胞の生存と維持を促進する。アデノシンとIL-7シグナル伝達は個別に、もしくは固形腫瘍の徴候に対する他の治療法と組み合わせて、臨床的に標的にされている。本研究でわれわれは、IL-7シグナル伝達が、アデノシンを介した免疫抑制を妨げることによって、部分的に腫瘍関連CD8+ T細胞の蓄積を促進することを明らかにした。IL-7受容体シグナル伝達の下流にある転写因子FoxO1の阻害は、アデノシンによる抑制からCD8+ T細胞を保護するうえで重要であった。これらの知見は、アデノシン経路を標的とするがん免疫療法への新たなアプローチの開発にとって意義がある。
Citation: A. Koyas, S. Tucer, M. Kayhan, A. C. Savas, I. Akdemir, C. Cekic, Interleukin-7 protects CD8+ T cells from adenosine-mediated immunosuppression. Sci. Signal. 14, eabb1269 (2021).