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痛みの機構と治療標的を発見するためのリガンド-受容体インタラクトームのプラットフォーム

A ligand-receptor interactome platform for discovery of pain mechanisms and therapeutic targets

Research Resources

Sci. Signal. 16 Mar 2021:
Vol. 14, Issue 674, eabe1648
DOI: 10.1126/scisignal.abe1648

Andi Wangzhou, Candler Paige, Sanjay V. Neerukonda, Dhananjay K. Naik, Moeno Kume, Eric T. David, Gregory Dussor, Pradipta R. Ray*, and Theodore J. Price*

School of Behavioral and Brain Sciences and Center for Advanced Pain Studies, University of Texas at Dallas, 800 W Campbell Rd., Richardson, TX 75080, USA.

* Corresponding author. Email: prr105020@utdallas.edu (P.R.R.); theodore.price@utdallas.edu (T.J.P.)

要約

末梢神経系では、細胞とニューロン間のリガンド-受容体相互作用が、痛みを含む感覚体験を形作る。われわれは、疾患関連疼痛に関係する感覚ニューロンと末梢細胞型との間の潜在的な相互作用を同定することに着手した。マウスとヒトのRNAシーケンスデータセットと数理解析を用いて、後根神経節(DRG)感覚ニューロンと、一連の正常細胞や大腸炎関連グリア細胞、関節リウマチ関連滑膜マクロファージ、および膵臓腫瘍組織との間のインタラクトームマップを作製した。これらのマップは、末梢細胞におけるヘパリン結合性EGF様成長因子(HBEGF)の存在量と、DRGニューロンにおけるその受容体EGFR(受容体のErbBファミリーのメンバー)の存在量との間に共通の相関関係があることを明らかにした。その後、HBEGFの存在量の増加がマウスの侵害受容を増強し、ErbBファミリー受容体を介してDRGニューロンに作用する可能性があることを確認した。まとめると、これらのインタラクトームは、疾患関連疼痛の治療につながる可能性のあるリガンド-受容体相互作用を強調し、さらに、慢性疼痛状態における細胞からニューロンへのシグナル伝達の複雑さを反映している。

Citation: A. Wangzhou, C. Paige, S. V. Neerukonda, D. K. Naik, M. Kume, E. T. David, G. Dussor, P. R. Ray, T. J. Price, A ligand-receptor interactome platform for discovery of pain mechanisms and therapeutic targets. Sci. Signal. 14, eabe1648 (2021).

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