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CLIC1とCLIC4は内皮S1P受容体シグナル伝達を仲介してRac1とRhoAの活性および機能を促進する

CLIC1 and CLIC4 mediate endothelial S1P receptor signaling to facilitate Rac1 and RhoA activity and function

Research Article

Science Signaling 20 Apr 2021:
Vol. 14, Issue 679, eabb0969
DOI: 10.1126/scisignal.abb0969

De Yu Mao1, Matthew L. Kleinjan1, Irina Jilishitz2, Bhairavi Swaminathan1, Hideru Obinata3, Yulia A. Komarova4, Kayla J. Bayless5, Timothy Hla6, Jan K. Kitajewski1*

  1. 1 Department of Physiology and Biophysics, University of Illinois at Chicago, Chicago,IL, USA.
  2. 2 Weill Cornell Medicine, New York, NY, USA.
  3. 3 Education and Research Support Center, Gunma University Graduate School of Medicine, Gunma, Japan.
  4. 4 Department of Pharmacology, University of Illinois at Chicago, Chicago, IL, USA.
  5. 5 Department of Molecular & Cellular Medicine, Texas A&M System Health Science Center, Bryan, TX, USA.
  6. 6 Vascular Biology Program, Boston Children's Hospital, Department of Surgery, Harvard Medical School, Boston, MA, USA.

* Corresponding author. Email: kitaj@uic.edu

要約

塩素イオン細胞内チャネル1(CLIC1)および4(CLIC4)は、内皮細胞に発現し、in vitroで血管新生挙動を調節する。マウスにおいては、Clic4の発現が血管の発生と機能に重要である。今回われわれは、内皮細胞のCLIC1とCLIC4が、血管の発生と疾患に関連するきわめて重要なGタンパク質共役受容体(GPCR)経路を調節することを見出した。培養内皮細胞において、CLIC1とCLIC4は、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)に反応して細胞膜に一過性に移動することがわかった。CLIC1とCLIC4の両方が、S1P受容体1(S1PR1)の下流で低分子グアノシントリホスファターゼ(GTPase)Rac1のS1P誘導性活性化を仲介するために不可欠であった。対照的に、S1PR2とS1PR3の下流における低分子GTPase RhoAのS1P誘導性活性化には、CLIC1のみが不可欠であった。その他のS1P-S1PRシグナル伝達出力には、いずれも必要なかった。レスキュー実験により、CLIC1とCLIC4は機能的に互換性がないことが明らかになり、GPCRシグナル伝達におけるCLICの個別の特異的な機能が示唆された。これらのCLICを介するメカニズムは、内皮細胞単層におけるバリア機能のS1P誘導性刺激に重要であった。われわれの結果により、CLICは、GPCRを低分子GTPaseと血管内皮機能に結び付ける経路において役割を果たす、これまで知られていなかったプレーヤーであると定義される。

Citation: D. Y. Mao, M. L. Kleinjan, I. Jilishitz, B. Swaminathan, H. Obinata, Y. A. Komarova, K. J. Bayless,T. Hla, J. K. Kitajewski, CLIC1 and CLIC4 mediate endothelial S1P receptor signaling to facilitate Rac1 and RhoA activity and function. Sci. Signal. 14, eabc0425 (2021).

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