• ホーム
  • Homer-Shankインタラクトームのリモデリングは恒常性維持の可塑性を媒介する

Homer-Shankインタラクトームのリモデリングは恒常性維持の可塑性を媒介する

Remodeling of the Homer-Shank interactome mediates homeostatic plasticity

Research Article

Science Signaling 04 May 2021:
Vol. 14, Issue 681, eabd7325
DOI: 10.1126/scisignal.abd7325

Whitney E. Heavner1, Jonathan D. Lautz1, Haley E. Speed1, Edward P. Gniffke1, Karen B. Immendorf1, John P. Welsh1,2,3,4, Nathan A. Baertsch1,2, Stephen E. P. Smith1,2,4*

  1. 1 Center for Integrative Brain Research, Seattle Children's Research Institute, Seattle, WA 98101, USA.
  2. 2 Department of Pediatrics, University of Washington School of Medicine, Seattle, WA 98195, USA.
  3. 3 University of Washington Autism Center, Seattle, WA 98195, USA.
  4. 4 Graduate Program in Neuroscience, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.

* Corresponding author. Email: seps@uw.edu

要約

恒常性シナプススケーリングはニューロンのシナプス後入力の強度を調整して全体的な活動の長期的な変化を補正する機構であり、ニューロンはこのしくみを用いて興奮レベルを安定的に維持する。ここでは、活動の長期的な変化がシナプスでのネットワークレベルのタンパク質相互作用に影響を与えるかどうかを調べた。マウスニューロンの21のタンパク質メンバー間の380の二項関連により構成されるグルタミン酸作動性シナプスタンパク質相互作用ネットワーク(PIN)を評価した。培養マウス皮質ニューロンの活性化を操作すると、グルタミン酸受容体相互作用の急速な再構成を反映する広範な双方向PINの変化が誘発され、これはシナプス足場のリモデリングを含んでいた。生きているマウスのバレル皮質の感覚遮断(ひげのトリミングによる)は、グルタミン酸受容体mGluR5とキナーゼFyn間の結合の変化を含む、特異的なPIN再構成を引き起こした。これらの知見は、複数のタイプの恒常性維持応答が関与する経験依存的可塑性の新しいモデルと一致する。しかしながら、Homer1またはShank3Bを欠くマウスでは、通常のPIN再構成が生じず、これらの自閉症スペクトラム障害に関連する遺伝子によってコードされるタンパク質がシナプス恒常性の構造ハブとして機能することを示唆している。われわれのアプローチは、恒常性維持の可塑的変化時のシナプスのタンパク質含有量の変化が、ニューロンの興奮性変化を媒介するPINの機能的変化にどのように変換されるかを示している。

Citation: W. E. Heavner, J. D. Lautz, H. E. Speed, E. P. Gniffke, K. B. Immendorf, J. P. Welsh, N. A. Baertsch, S. E. P. Smith, Remodeling of the Homer-Shank interactome mediates homeostatic plasticity. Sci. Signal. 14, eabd7325 (2021).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2021年5月4日号

Editors' Choice

ポリアミンが分散を決定

Research Article

PTEN:P-Rex2シグナル伝達複合体の構造解析によってがん関連変異がどのように協調してRac1を過剰活性化させるのかが明らかに

Homer-Shankインタラクトームのリモデリングは恒常性維持の可塑性を媒介する

最新のResearch Article記事

2025年07月29日号

USP5はFcεRIγを脱ユビキチン化して安定化させ、IgEに誘導されるマスト細胞の活性化とアレルギー性炎症を促進する

2025年07月29日号

プロテオミクス解析により発がん性KRASシグナル伝達の標的、経路および細胞への影響を特定

2025年07月22日号

心筋細胞におけるPTP1Bの欠失は心臓の代謝シグナル伝達を変化させ、高脂肪食によって誘発される心筋症を予防する

2025年07月22日号

レポーターに基づくスクリーニングによってRAS-RAF変異を大腸がんにおける活性型RAS阻害薬耐性のドライバーとして同定

2025年07月15日号

ウイルス性脳炎マウスでは、アストロサイトのRIPK3が転写レベルでセルピンを誘導することにより保護的抗炎症活性を発揮する