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リン酸化Gβは酵母が勾配を追跡する際に方向性の手がかりとなる
Phosphorylated Gβ is a directional cue during yeast gradient tracking
Science Signaling 11 May 2021:
Vol. 14, Issue 682, eabf4710
DOI: 10.1126/scisignal.abf4710
Rashida Abdul-Ganiyu1, Leon A. Venegas1†‡, Xin Wang1†, Charles Puerner2,3, Robert A. Arkowitz2, Brian K. Kay1, David E. Stone1*
- 1 Department of Biological Sciences, University of Illinois at Chicago, Chicago, IL 60607, USA.
- 2 Université Côte D'Azur, CNRS, INSERM, Institute of Biology Valrose (iBV), Parc Valrose, Nice, France.
- 3 Department of Microbiology and Immunology, Geisel School of Medicine at Dartmouth, Dartmouth College, Hanover, NH 03755, USA.
* Corresponding author. Email: dstone@uic.edu
† These authors contributed equally to this work.
‡ Present address: AstraZeneca, One Medimmune Way, Gaithersburg, MD 20878, USA.
要約
出芽酵母細胞は、接合相手となる接合型の酵母細胞から放出されるフェロモンの緩勾配を読み取り、フェロモン発生源に向かって成長を極性化し、ケモトロフィック成長部位で融合する。われわれは以前に、酵母細胞が内因的に配置された初期極性部位(DS)から勾配に沿ったケモトロフィック部位(CS)へと細胞膜でスイッチをどのように切り替えるのかを説明する決定的な勾配センシングモデルを提唱した。この過程には接合特異的なGβサブユニットのリン酸化が重要であると考えられるため、われわれは、リン酸化Gβには結合するが非リン酸化Gβには結合しないバイオセンサーを開発し、その時空間的動態をモニタリングして、われわれが提唱した勾配センシングモデルによる主要予測を検証した。接合中の細胞において、バイオセンサーはDSでGβと受容体レポーターの両方と共存し、その後、両者と共にCSへ移動した。バイオセンサーは追跡中のGβの先端側かつ受容体の上端部に集中し、いち早くCSに到達して移動を停止した。われわれのデータは、リン酸化Gβの集中する場所がGタンパク質と受容体の移動方向および最終位置と相関することを明らかにした。これは、勾配によって調節されるGβのリン酸化および脱リン酸化が勾配センシングに関与しているという考えと合致する。リン酸化不可能なGβ変異体を発現する細胞では、勾配の追跡、接合相手に向かう配向性、接合効率に欠損がみられた。
Citation: R. Abdul-Ganiyu, L. A. Venegas, X. Wang, C. Puerner, R. A. Arkowitz, B. K. Kay, D. E. Stone, Phosphorylated Gβ is a directional cue during yeast gradient tracking. Sci. Signal. 14, eabf4710 (2021).