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PLCβ4のブドウ膜黒色腫関連変異は恒常的に活性化されメラノサイトの増殖と腫瘍形成を促進する

Uveal melanoma-associated mutations in PLCβ4 are constitutively activating and promote melanocyte proliferation and tumorigenesis

Research Article

SCIENCE SIGNALING
14 Dec 2021 Vol 14, Issue 713
DOI: 10.1126/scisignal.abj4243

Hoa T. N. Phan, Nam Hoon Kim, Wenhui Wei, Gregory G. Tall, Alan V. Smrcka*

Department of Pharmacology, University of Michigan, Ann Arbor, MI 48109, USA.

* Corresponding author. Email: avsmrcka@umich.edu

要約

q/11タンパク質の活性化変異は、ブドウ膜管から発生する最も一般的な眼のがんであるブドウ膜黒色腫で頻繁に見られる。ブドウ膜黒色腫のごく一部は、Gαq/11のエフェクターであるホスホリパーゼC β4(PLCβ4)にD630Y変異をもつ。ここでは、PLCβ4のD630Y変異が高レベルの恒常的PLCβ4活性をもたらすことを発見した。他のPLCアイソフォームの対応する位置での変異も恒常的活性をもたらし、PLCの活性化の基となるこれまで認識されていない機構を明らかにした。培養ヒトブドウ膜黒色腫細胞株では、PLCの阻害によりGαq/11依存性細胞の増殖が抑制された。さらに、PLCβ4(D630Y)が皮膚メラノサイトの増殖とマウスにおけるメラノーマの成長を媒介することを発見した。これらの結果は、Gαq/11の下流で発がん性シグナル伝達を駆動するPLCβ4(D630Y)と一致している。

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