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アレナウイルス感染はマウスにおいて血小板からのセロトニン放出の低下によって出血を引き起こす

Arenaviral infection causes bleeding in mice due to reduced serotonin release from platelets

Research Article

SCIENCE SIGNALING
22 Feb 2022 Vol 15, Issue 722
DOI: 10.1126/scisignal.abb0384

Roberto Aiolfi1,2,3,†, Giovanni Sitia2,†, Matteo Iannacone2,3,4,†, Ivan Brunetta1, Luca G. Guidotti2,3,*,‡, Zaverio M. Ruggeri1,*,‡

  1. 1 Department of Molecular Medicine, MERU-Roon Research Center for Vascular Biology, Scripps Research, La Jolla, CA 92037, USA.
  2. 2 Division of Immunology, Transplantation, and Infectious Diseases, IRCCS San Raffaele Scientific Institute, Milan 20132, Italy.
  3. 3 Vita-Salute San Raffaele University, Milan, Italy.
  4. 4 Experimental Imaging Center, IRCCS San Raffaele Scientific Institute, Milan 20132, Italy.

* Corresponding author. Email: ruggeri@scripps.edu (Z.M.R.); guidotti.luca@hsr.it (L.G.G.)

† These authors contributed equally to this work.

‡ Joint senior authors.

要約:

ウイルス性出血熱においては出血と疾患重症度が相関する。われわれは、マウスにおいて、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV;アレナウイルス)Armstrong株の感染によりI型インターフェロン(IFN-I)の増加が引き起こされると、脂質生合成に関与する酵素をコードする遺伝子(シクロオキシゲナーゼ1トロンボキサンA合成酵素1)と血小板新生転写因子をコードする遺伝子(Nf-e2)の巨核球での発現が低下することを見出した。これらの遺伝子の発現低下に伴い、循環血小板数の減少とアラキドン酸合成経路の欠損が生じ、それによって血小板のδ-顆粒からのセロトニン放出が抑制された。重度の血小板減少と血小板機能の変化によって、血小板由来セロトニンの量が低下して臨界閾値を下回ると、出血が生じた。出血は、キナーゼLynの活性の欠損またはアラキドン酸合成阻害剤であるアスピリンの投与によって促進された。マウス血小板はIFN-Iの受容体(IFNAR1)をもたないため、このサイトカインによる直接的な影響を受けなかったことから、LCMV感染マウスに正常血小板を輸血することで、血小板から放出されるセロトニンの量が増加し、出血がコントロールされる可能性があることが示唆された。

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