• ホーム
  • パルミトイル化はキナーゼDLKおよびJNK3と共役して軸索から神経細胞体への変性促進性のシグナル伝達を促進させる

パルミトイル化はキナーゼDLKおよびJNK3と共役して軸索から神経細胞体への変性促進性のシグナル伝達を促進させる

Palmitoylation couples the kinases DLK and JNK3 to facilitate prodegenerative axon-to-soma signaling

Research Article

SCIENCE SIGNALING
29 Mar 2022 Vol 15, Issue 727
DOI: 10.1126/scisignal.abh2674

Jingwen Niu1, Sabrina M. Holland1, Andrea Ketschek1, Kaitlin M. Collura1, Natasha L. Hesketh1, Takashi Hayashi2, Gianluca Gallo1,3, Gareth M. Thomas1,3,*

  1. 1 Shriners Hospitals Pediatric Research Center (Center for Neurorehabilitation and Neural Repair), Lewis Katz School of Medicine at Temple University, 3500 N. Broad Street, Philadelphia, PA 19140, USA.
  2. 2 Biomedical Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), Central6 (6-10), 1-1-1 Higashi, Tsukuba, Ibaraki 305-8566, Japan.
  3. 3 Department of Neural Sciences, Lewis Katz School of Medicine at Temple University, 3500 N. Broad St., Philadelphia, PA 19140, USA.

* Corresponding author. Email: gareth.thomas@temple.edu

要約:

二重ロイシンジッパーキナーゼ(DLK、MAP3Kの一種)は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)からなるc-Jun N末端キナーゼ(JNK)ファミリーを介して、多様な損傷や侵襲に対するニューロンの応答を調節する。本稿でわれわれは、DLKが神経特異的アイソフォームJNK3と共役して変性促進性のシグナル伝達を調節する2つの方法を同定した。JNK3は、正のフィードバックとなるDLKのリン酸化を触媒することで、DLKをさらに活性化させ、DLK-JNK3モジュールを高い活性状態でロックした。相同MAP3Kも相同MAPKもこの正のフィードバックループを支援できなかった。関連するJNK1アイソフォームとは異なり、JNK2およびJNK3は、軸索から神経細胞体への変性促進性のシグナル伝達を促進し、内因的にパルミトイル化された。さらに、パルミトイル化はDLKとJNK3の両方を同じ軸索小胞に向かわせ、JNK3のパルミトイル化は、in vivoにおいて、視神経挫滅に応答した軸索の逆行性シグナル伝達に不可欠であった。これらの知見は、神経病理学的症状に関連するDLK-JNKシグナル伝達についてこれまで認識されていなかった洞察を与え、JNK2およびJNK3の選択的変性促進性の役割に関する長年の疑問に答えるものである。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2022年3月29日号

Editors' Choice

切断しないことでサイズを小さくする

Research Article

パルミトイル化はキナーゼDLKおよびJNK3と共役して軸索から神経細胞体への変性促進性のシグナル伝達を促進させる

CNS毛細血管の内皮細胞と周皮細胞ではアデノシンシグナル伝達がATP感受性K+チャネルを活性化する

最新のResearch Article記事

2025年11月11日号

SH2ドメイン含有シグナル伝達タンパク質SHP2およびSRCではイオン化可能なネットワークがpH依存性アロステリーを仲介する

2025年11月11日号

CSF1R-CAR T細胞はCSF1Rシグナル伝達を誘導し、標的細胞の増殖を促進しうる

2025年11月04日号

白血球には乾癬様皮膚炎症時の動員を制御するヘパラン硫酸グリコカリックスがある

2025年11月04日号

コルドイドグリオーマのPRKCA D463H変異はマウスにおいて早発性軟骨肉腫を誘導するキナーゼ不活性型機能獲得型対立遺伝子である

2025年10月28日号

腸由来のソルビトールは腸内細菌の非存在下で脂肪性肝疾患を引き起こす