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骨髄性白血球の生体内カルシウムイメージングによってカルシウム振動スペクトルを機能状態の指標として同定する
Intravital calcium imaging in myeloid leukocytes identifies calcium frequency spectra as indicators of functional states
SCIENCE SIGNALING
26 Jul 2022 Vol 15, Issue 744
DOI: 10.1126/scisignal.abe6909
Fitsumbirhan T. Mehari1,2, Meike Miller1,2, Robert Pick3, Almke Bader2,3, Kami Pekayvaz1,2,4,Matteo Napoli3, Bernd Uhl2,5, Christoph A. Reichel2,5, Markus Sperandio3, Barbara Walzog2,3, Christian Schulz1,2,4, Steffen Massberg1,2,4, Konstantin Stark1,2,4,*
- 1 Medizinische Klinik und Poliklinik I, University Hospital, LMU Munich, 81377 Munich, Germany.
- 2 Walter Brendel Centre of Experimental Medicine, Faculty of Medicine, LMU Munich, 81377 Munich, Germany.
- 3 Institute for Cardiovascular Physiology and Pathophysiology, Walter Brendel Centre for Experimental Medicine, Biomedical Center (BMC), LMU Munich, 82152 Planegg, Germany.
- 4 German Center for Cardiovascular Research (DZHK), partner site Munich Heart Alliance, 80802 Munich, Germany.
- 5 Department of Otorhinolaryngology, University Hospital, LMU Munich, 81377, Munich, Germany.
* Corresponding author. Email: konstantin.stark@med.uni-muenchen.de
Ca2+シグナルを解読する
感染および無菌性炎症に対する免疫応答は、多種多様な細胞の協調的な動員と活性化が関与していて複雑である。炎症状況下での免疫細胞の活性化状態について理解を深めるために、Mehariらは、Ca2+レポータートランスジェニックマウスに多様なin vivoイメージング技術を適用して、レーザー誘導性組織損傷に応答中のマクロファージと好中球の細胞内Ca2+シグナルの強度と振動を測定した。これらのデータの解析によって、組織常在性マクロファージの動員動態が明らかにされ、血液中から損傷部位への好中球の動員の各段階を特徴づける細胞内Ca2+シグナルの特徴的パターンが同定された。これらの知見は、Ca2+シグナルのin vivoモニタリングによって、免疫細胞の機能状態についての洞察が得られることを示している。
要約
白血球の活性化のin vivoでの評価は、主に細胞の形状変化や遊走パターンなどの代替パラメータに基づいて行われる。そのため、炎症中の白血球の複雑な時空間的活性化を精査するには、付加的なパラメータが必要になる。本稿でわれわれは、Ca2+レポーターマウス系統を用いた骨髄性白血球のCa2+シグナルの生体顕微鏡観察と、バイオインフォマティクスシグナル解析を併用すれば、骨髄性白血球の活性化をin vivoで評価するためのツールになることを示した。われわれは、二光子顕微鏡によって、組織常在性マクロファージが精巣挙筋の無菌性炎症に対して特徴的な時空間的パターンのCa2+トランジェントで応答することを明らかにした。さらに、高分解能のスピニングディスク共焦点生体顕微鏡によって、in vivoで遊走カスケード中の好中球の細胞内Ca2+シグナル伝達パターンを同定した。これらのパターンは、Ca2+チャネルOrai1とGαi共役GPCRによって調整されており、その影響はCa2+シグナルの振動範囲(振動スペクトル)の解析から明らかとなった。この結果は、白血球のCa2+振動の複雑なパターンについて洞察を与える。まとめると、これらの知見は、Ca2+振動スペクトルが生体内の白血球の活性化と遊走を評価するための新たな指標となることを確証するものである。