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腸刷子縁の形成にはTMIGD1ベースの微絨毛間接着複合体が必要である

Intestinal brush border formation requires a TMIGD1-based intermicrovillar adhesion complex

Research Article

SCIENCE SIGNALING
13 Sep 2022 Vol 15, Issue 751
DOI: 10.1126/scisignal.abm2449

Christian Hartmann1,2,†, Eva-Maria Thüring1,2,†, Lilo Greune3, Birgitta E. Michels1,2, Denise Pajonczyk1,2, Sophia Leußink1,2, Frauke Brinkmann1,2, Mark Glaesner-Ebnet1,2, Eva Wardelmann4, Thomas Zobel5, M. Alexander Schmidt3, Klaus-Peter Janssen6, Volker Gerke2,7, Klaus Ebnet1,2,7,8,*

  1. 1 Institute-associated Research Group "Cell adhesion and cell polarity", ZMBE, University of Münster, D-48149 Münster, Germany.
  2. 2 Institute of Medical Biochemistry, ZMBE, University of Münster, D-48149 Münster, Germany.
  3. 3 Institute of Infectiology, ZMBE, University of Münster, D-48149 Münster, Germany.
  4. 4 Gerhard-Domagk-Institute of Pathology, University Hospital Münster, D-48149 Münster, Germany.
  5. 5 Imaging Network Microscopy, University of Münster, D-48149 Münster, Germany.
  6. 6 Technical University München, Department of Surgery, 81675 Munich, Germany.
  7. 7 Cells-in- Motion Interfaculty Center (CiMIC), University of Münster, D-48419 Münster, Germany.
  8. 8 Interdisciplinary Center for Clinical Research (IZKF), University of Münster, D-48149 Münster, Germany.

* Corresponding author. Email: ebnetk@uni-muenster.de

† These authors contributed equally to this work.

TMIGD1は刷子縁を育てる

微絨毛と呼ばれる細胞構造は、微絨毛の先端に位置する微絨毛間接着複合体 (IMAC) に依存する過程を通じて、腸上皮細胞の頂端膜に形成される。これらの微絨毛は、腸の刷子縁を形成し、栄養素の吸収を仲介する。Hartmannらは、微絨毛の形成と完全な刷子縁に必要な接着分子TMIGD1を中心とした微絨毛の基部にある第二の接着複合体を同定した。TMIGD1は、足場タンパク質E3KARPおよびEBP50によって刷子縁に動員された。アクチン結合タンパク質エズリンによる活性化により、EBP50-TMIGD1の結合が可能になった。EBP50は、エズリンとホスファターゼPP1αの両方の足場として機能し、EBP50-TMIGD1相互作用を促進した。これらの知見は、TMIGD1がいかに刷子縁形成に重要な複合体の核となるかを特徴付ける。

要約

腸上皮細胞は、それらの頂端膜にある高度に秩序化された微絨毛の密な配列で構成されている刷子縁を通じて栄養素を吸収する。微絨毛の先端に局在するプロトカドヘリンベースの微絨毛間接着複合体は、微絨毛のパッキングと組織化を仲介する。ここでは、微絨毛の近位基部領域に局在する2番目の接着複合体を同定した。この複合体には、微絨毛足場タンパク質EBP50およびE3KARPと直接相互作用する免疫グロブリンスーパーファミリーメンバーTMIGD1が含まれていた。EBP50との複合体形成には、アクチン結合タンパク質エズリンによるEBP50の活性化が必要であり、ホスファターゼPP1αによるEBP50のPDZ2ドメインのSer162の脱リン酸化によって増強された。EBP50-エズリン複合体のTMIGD1への結合は、微絨毛でのEBP50の動的ターンオーバーを増強した。マウスにおけるTmigd1の腸細胞特異的な不活性化は、微絨毛小疱形成、微絨毛間接着の喪失、および刷子縁形成のかく乱をもたらした。このように、われわれは微絨毛の第二の接着複合体を同定し、微絨毛の形成とダイナミクスを促進する機構を提案する。

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