• ホーム
  • プロトカテク酸はKLF4の抑制を解除してMerTKを転写活性化することによりマクロファージの継続的なエフェロサイトーシスを促進する

プロトカテク酸はKLF4の抑制を解除してMerTKを転写活性化することによりマクロファージの継続的なエフェロサイトーシスを促進する

Protocatechuic acid boosts continual efferocytosis in macrophages by derepressing KLF4 to transcriptionally activate MerTK

Research Article

SCIENCE SIGNALING
23 May 2023 Vol 16, Issue 786
[DOI: 10.1126/scisignal.abn1372]

Qing Li1, Xiuping Liu1, Yushi Du1, Xu Zhang1, Panyin Xiang1, Guanyu Chen1, Wenhua Ling1, 2, Dongliang Wang1, 2, *

  1. 1 Department of Nutrition, School of Public Health, Sun Yat-sen University (Northern Campus), Guangzhou 510080, China.
  2. 2 Guangdong Provincial Key Laboratory of Food, Nutrition and Health, Guangzhou 510080, China.

* Corresponding author. Email: wdliang@mail.sysu.edu.cn

マクロファージのデブリ除去の増加

エフェロサイトーシスとは、食細胞によるアポトーシス細胞のクリアランスのことを言う。Liらは、アントシアニン代謝物であるプロトカテク酸(PCA)がマクロファージの継続的なエフェロサイトーシスを増加させることを発見した。PCAは、転写因子KLF4のマイクロRNAリプレッサーの細胞外小胞での分泌を促進した。その結果、KLF4は、アポトーシス細胞を認識するエフェロサイトーシス受容体であるMerがん原遺伝子チロシンキナーゼ(MerTK)をコードする遺伝子を転写活性化した。この経路は、進行したアテローム性動脈硬化プラークのマクロファージで活性化していた。本研究は、PCAがKLF4を介してエフェロサイトーシスを促進するしくみを説明することに加えて、エフェロサイトーシスの阻害がもたらす結果を理解するのに重要である可能性がある。—AEB

要約

マクロファージは、継続的エフェロサイトーシスと呼ばれる過程を通じてアポトーシス細胞を除去する。われわれは、果物や野菜に豊富に含まれるポリフェノール化合物であるプロトカテク酸(PCA)が、マクロファージの継続的なエフェロサイトーシス能を向上させ、進行したアテローム性動脈硬化症のさらなる進行を抑制することを発見した。PCAは、細胞外小胞でのマイクロRNA-10b(miR-10b)の分泌を促進することによりmiR-10bの細胞内量を減少させ、これによりmiR-10bの標的であるKrüppel様因子4(KLF4)の存在量を増加させた。次に、KLF4は、アポトーシス細胞を認識するためのエフェロサイトーシス受容体であるMerがん原遺伝子チロシンキナーゼ(MerTK)をコードする遺伝子を転写誘導し、その結果、継続的なエフェロサイトーシス能が上昇した。しかしながら、ナイーブマクロファージでは、PCAによって誘導されるmiR-10bの分泌は、KLF4およびMerTKタンパク質の存在量やエフェロサイトーシス能に影響を与えなかった。マウスでは、PCAの経口投与により、miR-10b-KLF4-MerTK経路を介して腹腔、胸腺、および進行したアテローム性動脈硬化プラークに存在するマクロファージの継続的なエフェロサイトーシスが増加した。さらに、antagomiR-10bによるmiR-10bの薬理学的阻害も、in vitroおよびin vivoで、エフェロサイトーシス性マクロファージのエフェロサイトーシス能を増加させたが、ナイーブマクロファージでは増加させなかった。まとめると、これらのデータは、miR-10b分泌とKLF4依存性のMerTK存在量の増加を介してマクロファージの継続的エフェロサイトーシスを促進する経路を説明しており、この経路は食餌性PCAによって活性化され、マクロファージにおける継続的エフェロサイトーシスの制御を理解するための示唆を与える。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2023年5月23日号

Editors' Choice

JMJD8はがんのSTINGを弱める

Research Article

プロトカテク酸はKLF4の抑制を解除してMerTKを転写活性化することによりマクロファージの継続的なエフェロサイトーシスを促進する

ニューロピリン1はVEカドヘリンおよびTGFBR2と相互作用し、接着結合を安定化して血流下での血管内皮の活性化を防ぐ

最新のResearch Article記事

2024年7月16日号

ヒト単球ではグルコース-酸素の欠乏がHMGCR機能とRac1のプレニル化を抑制し、NLRP3インフラマソームを活性化している

2024年7月16日号

Kv1.3誘導性過分極はカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスの効率的な溶解複製に必要である

2024年7月9日号

潜在型細胞外マトリックス複合体からのTGF-β1放出を阻害する抗体が腎線維化の進行を軽減する

2024年7月2日号

改変ミニGタンパク質は対応するGPCRの内在化を妨げ、下流の細胞内シグナル伝達を阻害する

2024年7月2日号

YAPはTEAD–NF-κB複合体を抑制して淡明細胞型腎細胞がんの成長を阻害する