• ホーム
  • E3リガーゼHERC5はホスファターゼPTENをISG化することによってマクロファージにおける抗マイコバクテリア応答を促進する

E3リガーゼHERC5はホスファターゼPTENをISG化することによってマクロファージにおける抗マイコバクテリア応答を促進する

The E3 ligase HERC5 promotes antimycobacterial responses in macrophages by ISGylating the phosphatase PTEN

Research Article

SCIENCE SIGNALING
6 Jun 2023 Vol 16, Issue 788
[DOI: 10.1126/scisignal.abm1756]

Xialin Du, Junli Sheng, Yitian Chen, Shitong He, Yalong Yang, Yulan Huang, Yuling Fu, Linmiao Lie, Zhenyu Han, Bo Zhu, Honglin Liu, Qian Wen, Xinying Zhou, Chaoying Zhou, Shengfeng Hu*, Li Ma*

Institute of Molecular Immunology, School of Laboratory Medicine and Biotechnology, Southern Medical University, Guangzhou 510515, China.

* Corresponding author. Email: mali_61648322@smu.edu.cn (L.M.); hushengfeng@smu.edu.cn (S.Hu)

† These authors contributed equally to this work.

Editor's summary

マクロファージにおける抗菌応答の一部は、ISG化と呼ばれるタンパク質修飾によって調節される。Duらは、タンパク質HERC5(またはマウスの機能的等価物であるHERC6)を介するISG化によって、マクロファージが、結核を引き起こす細菌の感染に応答できるようになることを見出した。ホスファターゼPTENがHERC5またはHERC6を介してISG化されると、PTENの分解が誘導され、それによってPI3K-AKTシグナル伝達経路に対する抑制が緩和され、細菌の除去を促進するサイトカインの産生が促進された。これらの知見は、結核に対する宿主応答機構を明らかにしており、患者のための改良された治療法の開発に有用な情報をもたらす可能性がある。—Leslie K. Ferrarelli

要約

ウイルス感染時のマクロファージにおける自然免疫シグナル伝達は、ISG化、すなわちユビキチン様タンパク質であるインターフェロン活性化遺伝子15(ISG15)のタンパク質標的との共有結合によって調節される。今回われわれは、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)感染に対するマクロファージの応答におけるISG化の役割を検討した。ヒトおよびマウスマクロファージにおいて、それぞれE3ユビキチンリガーゼHERC5およびmHERC6がホスファターゼPTENのISG化を仲介し、PTENの分解を促進した。PTEN存在量の減少により、PI3K-AKTシグナル伝達経路の活性が上昇し、炎症性サイトカインの合成が刺激された。ヒトまたはマウスマクロファージの主要なE3 ISG15リガーゼが欠損すると、培養およびin vivoで細菌増殖が増加した。これらの結果は、マクロファージにおけるISG化の役割を抗菌免疫に拡大するものであり、HERC5シグナル伝達が、結核患者に対する補助的宿主標的療法の標的候補となる可能性を示唆している。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2023年6月6日号

Editors' Choice

アレスチンが待ち構える

Research Article

E3リガーゼHERC5はホスファターゼPTENをISG化することによってマクロファージにおける抗マイコバクテリア応答を促進する

アストロサイトエンドフィートにおけるSUR1-TRPM4およびNCX1を介したカチオンの流束は、AQP4を介した水の流入と虚血性脳卒中後の脳腫脹を誘導する

最新のResearch Article記事

2025年03月18日号

転移性前立腺がんにおいてキナーゼPLK1は、抗アンドロゲン剤エンザルタミドに対するヘッジホッグシグナル伝達依存性の耐性を促進する

2025年03月18日号

構造解析により四量体チロシンリン酸化STAT1が狂犬病ウイルスPタンパク質によっていかに標的とされるかが明らかに

2025年03月11日号

骨髄のサーチュイン6欠損はノルエピネフリンの分解を誘導することによって発熱性組織機能を制限してマウスの肥満を引き起こす

2025年03月11日号

NEMOはキナーゼIKKαおよびATMのDNA損傷部位への誘導に不可欠である

2025年03月04日号

アセチルトランスフェラーゼGCN5はミクログリア細胞でNF-κBサブユニットp65をアセチル化して活性化することによりマウスの神経炎症に寄与する