• ホーム
  • SARS-CoV-1中和抗体を指向性進化によって強力にSARS-CoV-2を中和するように拡張する

SARS-CoV-1中和抗体を指向性進化によって強力にSARS-CoV-2を中和するように拡張する

Broadening a SARS-CoV-1-neutralizing antibody for potent SARS-CoV-2 neutralization through directed evolution

Research Article

SCIENCE SIGNALING
15 Aug 2023 Vol 16, Issue 798
[DOI: 10.1126/scisignal.abk3516]

Fangzhu Zhao1, 2, 3, †, Meng Yuan4, †, Celina Keating1, 2, 3, †, Namir Shaabani1, †, Oliver Limbo2, 5, Collin Joyce1, 2, 3, Jordan Woehl2, 5, Shawn Barman1, 2, 3, Alison Burns1, 2, 3, Quoc Tran2, 5, Xueyong Zhu4, Michael Ricciardi6, Linghang Peng1, Jessica Smith2, 5, Deli Huang1, Bryan Briney1, 3, 7, Devin Sok1, 2, 3, 5, David Nemazee1, John R. Teijaro1, Ian A. Wilson2, 3, 4, 8, Dennis R. Burton1, 2, 3, 9, Joseph G. Jardine2, 5, *

  1. 1 Department of Immunology and Microbiology, Scripps Research Institute, La Jolla, CA 92037, USA.
  2. 2 IAVI Neutralizing Antibody Center, Scripps Research Institute, La Jolla, CA 92037, USA.
  3. 3 Consortium for HIV/AIDS Vaccine Development (CHAVD), Scripps Research Institute, La Jolla, CA 92037, USA.
  4. 4 Department of Integrative Structural and Computational Biology, Scripps Research Institute, La Jolla, CA 92037, USA.
  5. 5 IAVI, New York, NY 10004, USA.
  6. 6 Department of Pathology, George Washington University, Washington, DC 20052, USA.
  7. 7 Center for Viral Systems Biology, Scripps Research Institute, La Jolla, CA 92037, USA.
  8. 8 Skaggs Institute for Chemical Biology, Scripps Research Institute, La Jolla, CA 92037, USA.
  9. 9 Ragon Institute of Massachusetts General Hospital, Massachusetts Institute of Technology, and Harvard University, Cambridge, MA 02139, USA.

* Corresponding author. Email: jjardine@iavi.org

† These authors contributed equally to this work.

Editor's summary

SARS-CoV-2の出現により、近縁ウイルスに対する中和抗体を治療薬に振り向けることへの関心が高まった。Zhaoらは、迅速親和性成熟戦略を用いて、回復期ドナーから分離されたSARS-CoV-1に対する中和モノクローナル抗体に変異を生じさせた。改変抗体を酵母の表面に提示させ、SARS-CoV-2 Sタンパク質に対する親和性が高まったクローンを分離し、特性を解析した。改変抗体の候補は、in vitroでSARS-CoV-2の細胞への感染を阻止し、ハムスターをウイルス負荷から予防的に防御したことから、他のウイルスに対する抗体の探索におけるこの手法の可能性が強調された。—John F. Foley

要約

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の出現によって、予防薬および治療薬となる可能性のある中和モノクローナル抗体を迅速に開発するための戦略や、ワクチン設計の指針となるような戦略の必要性に注目が集まっている。今回われわれは、改変手法を用いて、あるウイルスを中和するが近縁ウイルスは中和しない既存の抗体の対象を変化させることができることを示す。迅速親和性成熟戦略により、SARS-CoV-1中和抗体であるCR3022を、SARS-CoV-2の受容体結合ドメインと1,000倍高い親和性で結合するように改変した。改変CR3022はSARS-CoV-2を中和し、SARS-CoV-2感染の小動物モデルにおいて、ウイルス負荷に対する予防的防御をもたらした。改変工程全体を通じたディープシークエンシングと、改変CR3022の結晶構造解析を組み合わせることにより、抗体がSARS-CoV-1とSARS-CoV-2のエピトープの配列差に適応することを可能にした分子機構を解明した。このワークフローは、抗体の中和性を、あるウイルスから近縁であるが耐性のウイルスに迅速に拡張するための青写真を提供している。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2023年8月15日号

Editors' Choice

ACE2のバイパス

Research Article

SARS-CoV-1中和抗体を指向性進化によって強力にSARS-CoV-2を中和するように拡張する

ウイルスにコードされたGPCRはSK1-S1P1シグナル伝達軸のフィードフォワード活性化を介して神経膠芽腫を駆動する

最新のResearch Article記事

2024年7月16日号

ヒト単球ではグルコース-酸素の欠乏がHMGCR機能とRac1のプレニル化を抑制し、NLRP3インフラマソームを活性化している

2024年7月16日号

Kv1.3誘導性過分極はカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスの効率的な溶解複製に必要である

2024年7月9日号

潜在型細胞外マトリックス複合体からのTGF-β1放出を阻害する抗体が腎線維化の進行を軽減する

2024年7月2日号

改変ミニGタンパク質は対応するGPCRの内在化を妨げ、下流の細胞内シグナル伝達を阻害する

2024年7月2日号

YAPはTEAD–NF-κB複合体を抑制して淡明細胞型腎細胞がんの成長を阻害する