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Col4a1変異マウスにおいて細胞内Ca2+シグナル伝達の障害が加齢性脳小血管病に寄与する

Impaired intracellular Ca2+ signaling contributes to age-related cerebral small vessel disease in Col4a1 mutant mice

Research Article

SCIENCE SIGNALING
14 Nov 2023 Vol 16, Issue 811
[DOI: 10.1126/scisignal.adi3966]

Evan Yamasaki1, Pratish Thakore1, Sher Ali1, †, Alfredo Sanchez Solano1, Xiaowei Wang2, Xiao Gao3, 4, Cassandre Labelle-Dumais2, Myriam M. Chaumeil3, 4, Douglas B. Gould2, 5, Scott Earley1, *

  1. 1 Department of Pharmacology, Center for Molecular and Cellular Signaling in the Cardiovascular System, University of Nevada, Reno School of Medicine, Reno, NV 89557-0318, USA.
  2. 2 Department of Ophthalmology, UCSF School of Medicine, San Francisco, CA 94158, USA.
  3. 3 Department of Physical Therapy and Rehabilitation Science, UCSF School of Medicine, San Francisco, CA 94143, USA.
  4. 4 Department of Radiology and Biomedical Imaging, UCSF School of Medicine, San Francisco, CA 94143, USA.
  5. 5 Department of Anatomy, Institute for Human Genetics, Cardiovascular Research Institute, Bakar Aging Research Institute, UCSF School of Medicine, San Francisco, CA 94158, USA.

* Corresponding author. Email: searley@med.unr.edu

† Present address: Center for Translational Cancer Research, Institute of Biosciences and Technology, Texas A&M University, Houston, TX, 77030, USA.

Editor's summary

Gould症候群と呼ばれる遺伝性疾患の基礎にある変異は、ミスフォールドコラーゲンの蓄積と、脳内出血などの脳血管病変の発生を引き起こす。Yamasakiらは、Gould症候群のマウスモデルにおいて、平滑筋細胞内のCa2+シグナル伝達の障害を疾患表現型と関連付けた。これらのマウスは、加齢するにつれて脳内出血を起こしやすくなり、平滑筋細胞内のイオンチャネルを介するCa2+シグナル伝達の欠損と、筋原性反応と呼ばれるCa2+依存性過程である、血流を自己調節する脳動脈の能力の欠損を示した。低分子シャペロンによってミスフォールドコラーゲンの蓄積に起因するストレスを緩和すると、脳内出血が軽減し、Ca2+シグナル伝達と筋原性反応が回復したことから、ミスフォールドタンパク質によって誘発されるCa2+シグナル伝達の撹乱が、Gould症候群や類似する脳血管疾患の基礎にある可能性が示唆された。—Wei Wong

要約

COL4A1COL4A2の変異を有するヒトおよびマウスは、脳小血管病(cSVD)の顕著な特徴を示す。Col4a1のアミノ酸1344にミスセンス変異を有するマウス(Col4a1+/G1344Dマウス)は、年齢依存性の脳内出血(ICH)および脳病変を呈する。今回われわれは、この病変が、脳血流の自己調節に不可欠な固有の血管反応である筋原性血管収縮の消失に関連していたことを報告する。電気生理学的解析により、筋原性収縮の消失は、圧力誘導性の平滑筋細胞(SMC)膜脱分極の鈍化によって生じることが示された。さらに、膜電位の調節不全は、筋小胞体(SR)Ca2+シグナル伝達の停止とつながりのある、大コンダクタンスCa2+活性化K+(BK)チャネルおよび一過性受容器電位メラスタチン4(TRPM4)カチオンチャネルのCa2+依存性活性化の障害に関連することがわかった。Col4a1変異はタンパク質フォールディングを障害し、それによってSRストレスを引き起こす可能性がある。Col4a1+/G1344Dマウスに、ミスフォールドタンパク質の輸送を促進してSRストレスを緩和する化合物である、4-フェニル酪酸を投与すると、SR Ca2+シグナル伝達が回復し、BKおよびTRPM4チャネル活性が維持され、筋原性緊張の消失が防止され、ICHが軽減した。われわれは、SR Ca2+ハンドリングの変化がイオンチャネル活性を低下させ、SMC膜電位の調節不全と筋原性緊張の消失を引き起こし、Col4a1+/G1344Dマウスにおける加齢性cSVDに寄与していると結論する。

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