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TMEM216はSUFU-GLI2/GLI3軸を介して一次繊毛形成とヘッジホッグシグナル伝達を促進する
TMEM216 promotes primary ciliogenesis and Hedgehog signaling through the SUFU-GLI2/GLI3 axis
SCIENCE SIGNALING
23 Jan 2024 Vol 17, Issue 820
[DOI: 10.1126/scisignal.abo0465]
Yingying Wang1, †, Huili Yao1, †, Yu Zhang1, Ning Mu1, Tong Lu1, Zhiyuan Du1, Yingdi Wu1, Xiaopeng Li1, Min Su1, Ming Shao1, Xiaoyang Sun1, Ling Su1, *, Xiangguo Liu1, 2, *
- 1 Shandong Provincial Key Laboratory of Animal Cell and Developmental Biology, School of Life Sciences, Shandong University, Qingdao, China.
- 2 Key Laboratory of the Ministry of Education for Experimental Teratology, Shandong University, Jinan, China.
* Corresponding author. Email: xgliu@sdu.edu.cn (X.L.); suling@sdu.edu.cn (L.S.)
† These authors contributed equally to this work.
Editor's summary
シグナル伝達、特にヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達には、一次繊毛の正常な発達が不可欠であり、種々の発達障害の根底には繊毛形成の不全がある。ゼブラフィッシュでは膜貫通タンパク質TMEM216が繊毛形成と関連していることに注目し、Wangらは、Tmem216−/−のマウスでは繊毛形成不全とHhシグナル伝達の低下が認められることを明らかにした。TMEM216は、GLI転写因子との結合に関してHhシグナル伝達の負の調節因子SUFUと競合し、GLI2/GLI3がそれらのリプレッサー型に切断されることを阻害し、それによってHhシグナル伝達を促進した。まとめると、これらの知見から、繊毛形成の間にTMEM216がどのようにHhシグナル伝達を促進しているかが明らかとなった。—Amy E. Baek
要約
一次繊毛はシグナル受容細胞に豊富に存在し、その形成や機能の欠損は、多発性嚢胞腎、軸後性多指症および小眼球症などの病的状態を誘導することがある。哺乳類のヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達は一次繊毛の発達に重要であり、ゼブラフィッシュでは、これら繊毛の基部に局在する膜貫通タンパク質TMEM216も繊毛形成に関与している。本稿でわれわれは、Tmem216欠損マウスではHhシグナル伝達が損なわれ、典型的な繊毛障害性の表現型を示していることを明らかにした。このような現象は、TMEM216欠損細胞でも認められた。さらにTMEM216は、SUFU(Hhの負の調節因子)およびGLI2/GLI3(Hhの下流に位置する転写因子)などのコアHhシグナル伝達タンパク質と相互作用していた。GLI2/GLI3への結合に対するTMEM216とSUFUの競合は、GLI2/GLI3がそのリプレッサー型に切断されることを阻害し、それにより、完全長GLI2の核蓄積と切断型GLI3の核内移行減少をもたらし、最終的にはHhシグナル伝達の活性化を導いた。まとめるとこれらのデータは、TMEM216欠損誘導性の繊毛障害およびHhシグナル伝達異常にはTMEM216-SUFU-GLI2/GLI3軸が関与していることを示唆している。