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Siah3は軸索変性を促進する生理的なマイトファジー抑制因子として作用する
Siah3 acts as a physiological mitophagy suppressor that facilitates axonal degeneration
SCIENCE SIGNALING
8 Oct 2024 Vol 17, Issue 857
[DOI: 10.1126/scisignal.adn5805]
Omer Abraham1, Shifra Ben-Dor2, Inna Goliand3, Rebecca Haffner-Krausz4, Sarah Phoebeluc Colaiuta5, Andrew Kovalenko1, *, Avraham Yaron1, *
- 1 Department of Biomolecular Sciences and Department of Molecular Neuroscience, Weizmann Institute of Science, Rehovot 761000, Israel.
- 2 Bioinformatics Unit, Life Sciences Core Facilities, Weizmann Institute of Science, Rehovot 761000, Israel.
- 3 Department of Life Sciences Core Facilities, Weizmann Institute of Science, Rehovot 761000, Israel.
- 4 Department of Veterinary Resources, Weizmann Institute of Science, Rehovot 761000, Israel.
- 5 Department of Brain Sciences, Weizmann Institute of Science, Rehovot 761000, Israel.
- * Corresponding author. Email: andrew.kovalenko@weizmann.ac.il (A.K.); avraham.yaron@weizmann.ac.il (A.Y.)
Editor's summary
マイトファジーは損傷したミトコンドリアを除去することで細胞の生存をサポートし、マイトファジーの欠陥は神経変性の一因となる。Abrahamは、マイトファジーが軸索誘導および維持の合図に対する応答を媒介する上でも重要な役割を果たすことを発見した(DavidsonとSimonによるFocusを参照)。培養感覚ニューロンから細胞外神経成長因子を欠乏させると、細胞体でのSiah3の発現が誘導された。Siah3はパーキンに結合することで軸索でのマイトファジーを阻害し、軸索の刈り込みを促進した。Siah3を欠損したマウスでは、神経成長因子の量がもともと少ない組織である皮膚での神経支配が増加した。これらの発見は、マイトファジーが末梢感覚神経支配の重要な調節因子であることを示唆している。—Leslie K. Ferrarelli
要約
マイトファジーは機能不全のミトコンドリアを排除し、この細胞維持管理機構の欠陥はさまざまな加齢性疾患に関係している。本研究では、タンパク質Siah3によるマイトファジー抑制がマウスの発生時軸索リモデリングを促進することを発見した。Siah3欠損マウスは末梢感覚神経支配の増加を示した。培養Siah3欠損感覚ニューロンは、神経成長因子の除去に応答して軸索変性とカスパーゼ3活性化の両方で遅延を示した。機構的には、Siah3は栄養サポートの喪失によって転写誘導され、トランスフェクトされた細胞内でマイトファジーの主要構成要素である細胞質E3ユビキチンリガーゼのパーキンと複合体を形成した。Siah3欠損ニューロンの軸索は変性の開始時に著しいマイトファジーを開始したが、基底状態ではそうではなかった。Siah3とパーキンの両方を欠損したニューロンでは、Siah3欠損ニューロンで見られた栄養欠乏による軸索変性の遅延や軸索マイトファジーの誘導は見られなかった。これらの知見は、マイトファジー調節が生理的な軸索除去プログラムのゲートキーパーとして機能することを明らかにする。