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Gタンパク質ペプチド模倣体はグレリン受容体-Gタンパク質共役におけるアロステリック効果と段階的な相互作用を明らかにする
G protein peptidomimetics reveal allosteric effects and stepwise interactions in ghrelin receptor-G protein coupling
SCIENCE SIGNALING
4 Feb 2025 Vol 18, Issue 872
DOI: 10.1126/scisignal.ado7692
Morgane Mannes1, Charlotte Martin1, Marjorie Damian2, Sonia Cantel2, Hélène Orcel3, Jean-Alain Fehrentz2, Bernard Mouillac3, Julie Kniazeff2, Jean-Louis Banères2, *, Steven Ballet1, *
- 1 Research Group of Organic Chemistry, Vrije Universiteit Brussel, Pleinlaan 2, 1050 Brussels, Belgium.
- 2 Institut des Biomolécules Max Mousseron IBMM, Université de Montpellier, CNRS, ENSCM, 34293 Montpellier, France.
- 3 Institut de Génomique Fonctionnelle IGF, Université de Montpellier, CNRS, INSERM, 34094 Montpellier, France.
- * Corresponding author. Email: jean-louis.baneres@umontpellier.fr (J.-L.B.); steven.ballet@vub.be (S.B.)
Editor's summary
グレリンは、Gタンパク質共役受容体(GPCR)に作用して食欲と食物摂取を刺激するペプチドホルモンである。GPCRによるシグナル伝達では、受容体とGαサブユニットの両方の一過的な構造変化を伴うプロセスで細胞内Gタンパク質を活性化する必要がある。Mannesらは、グレリン受容体の活性型コンフォメーションに及ぼすGαq含有ヘテロ三量体の安定化効果を模倣した合成ペプチドを開発した。これらのペプチド模倣物を用いた生化学アッセイにより、Gタンパク質共役によって受容体のグレリンに対する親和性がアロステリックに増加し、Gタンパク質の活性化は受容体との一連の異なる相互作用を介して起こることが実証された。これらの知見は、Gタンパク質の活性化が多段階のプロセスであり、グレリン受容体の感受性にも影響を与える可能性があることを示している。—Annalisa M. VanHook
要約
Gタンパク質共役受容体(GPCR)シグナル伝達は、静的な三次元構造で捕捉されるものに加えて、さまざまな立体構造中間体が関与する動的なプロセスである。ここでは、新しく開発されたGタンパク質ペプチド模倣物を用いて、グレリン受容体(GHSR)とGタンパク質の相互作用を特徴付けた。Gタンパク質ペプチド模倣物との共役は、Gタンパク質が結合する受容体の細胞質領域の立体構造特性に影響しただけでなく、細胞外のリガンド結合ポケットにもアロステリックに影響した。これらの立体構造およびアロステリック変化により、Gタンパク質共役GHSRの内因性アゴニストであるグレリンに対する親和性が増加した。さらに、われわれのデータから、Gタンパク質活性化経路に沿って、GαqのC末端ヘリックスとの会合が異なるさまざまな複合体を同定した。このヘリックスが活性化受容体とGαヌクレオチド結合ポケット間の主要なリンクであることを考えると、これらの知見は、GPCR触媒によるGタンパク質の活性化における異なる状態を伴う段階的なプロセスを示唆する。合わせると、これらの知見は、GPCR-Gタンパク質シグナル伝達複合体の動的挙動の証拠を提供し、そのようなダイナミクスはシグナル伝達の選択性や有効性に寄与している可能性が高い。