• ホーム
  • 線維芽細胞増殖因子受容体3の細胞外ドメインはリガンド非依存性の二量体化を阻害する

線維芽細胞増殖因子受容体3の細胞外ドメインはリガンド非依存性の二量体化を阻害する

The Extracellular Domain of Fibroblast Growth Factor Receptor 3 Inhibits Ligand-Independent Dimerization

Research Article

Sci. Signal., 30 November 2010
Vol. 3, Issue 150, p. ra86
[DOI: 10.1126/scisignal.2001195]

Lirong Chen, Jesse Placone, Lawrence Novicky, and Kalina Hristova*

Department of Materials Science and Engineering, Johns Hopkins University, Baltimore, MD 21218, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: kh@jhu.edu

要約:受容体型チロシンキナーゼ(RTK)のリガンド非依存性の二量体化は、RTK活性化の最初の段階であり、 その調節不全は様々な病態をもたらす。二量体化過程の機構は理解されておらず、この基本的な知識の欠如が、有効なRTK標的治療を開発する障害の1つに なっている。例えば、RTKの異なるドメインが受容体の二量体化に果たす役割や相対的な貢献度は明らかになっていない。本稿では、定量的イメージングフェ ルスター(F?orster)共鳴エネルギー移動(QI-FRET)を用いて、受容体二量体化に対する線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)の細胞外 ドメインの寄与について検討した。われわれは、二量体化に対するFGFR3の細胞外ドメインの働きは、リガンド非存在下では反発的であり、約1 kcal/molのオーダーであることの証拠を示す。細胞外ドメインの反発的な寄与は、RTKシグナル伝達に対する病原性の単一アミノ酸変異と、符号は反 対だが程度は同等であったことから、生物学的機能にとって重要である可能性が高い。合わせると、これらの結果は、RTKの二量体化およびシグナル伝達を調 節するドメイン相互作用の精巧なバランスを浮き彫りにしている。

L. Chen, J. Placone, L. Novicky, K. Hristova, The Extracellular Domain of Fibroblast Growth Factor Receptor 3 Inhibits Ligand-Independent Dimerization. Sci. Signal. 3, ra86 (2010).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2010年11月30日号

Editor's Choice

神経科学
先天的な痒み?

Research Article

線維芽細胞増殖因子受容体3の細胞外ドメインはリガンド非依存性の二量体化を阻害する

Perspectives

DNAを感知する免疫受容体からのシグナル伝達に対する区画特異的な制御

最新のResearch Article記事

2024年2月27日号

ALOX5はCD4+ T細胞のパイロトーシスと関節リウマチにおける組織炎症を駆動する

2024年2月20日号

デザイナー高密度リポタンパク質粒子が内皮バリア機能を強化し炎症を抑制する

T細胞におけるgp130シグナル伝達の活性化がTH17介在性の多臓器自己免疫を引き起こす

2024年2月13日号

GPCRキナーゼはその細胞内局在に応じて偏向性のCXCR3下流シグナル伝達を差次的に調節する

リラキシン-3受容体のGαi/oバイアスステープルペプチドアゴニストによるバイアスアゴニズムの機構