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膜とサイトゾルの間を循環する分子のフィードバックを特徴とする走化性行動を支える概念的な分子ネットワーク

A Conceptual Molecular Network for Chemotactic Behaviors Characterized by Feedback of Molecules Cycling Between the Membrane and the Cytosol

Research Article

Sci. Signal., 14 December 2010
Vol. 3, Issue 152, p. ra89
[DOI: 10.1126/scisignal.2001056]

Mikiya Otsuji1,2*, Yuya Terashima1,3, Shuji Ishihara4,5, Shinya Kuroda6, and Kouji Matsushima1*

1 Department of Molecular Preventive Medicine, Graduate School of Medicine, University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.
2 Department of Anesthesiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.
3 Central Laboratory, ECI Inc., Meguro-ku, Tokyo 153-0042, Japan.
4 Department of Basic Science, Graduate School of Arts and Sciences, University of Tokyo, Tokyo 153-8902, Japan.
5 PRESTO, Japan Science and Technology Agency, Kawaguchi, Saitama 332-0012, Japan.
6 Department of Biophysics and Biochemistry, Graduate School of Science, University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: mohtsuji-tky@umin.ac.jp (M.O.); koujim@m.u-tokyo.ac.jp (K.M.)

要約:細胞の走化性は、化学誘引物質の勾配によって引き起こされる前後軸の形成として特徴づけられる。しかし、走化性にはより複雑な行動が伴う。そのような行動には、安定した軸をもつ直線的な遊走[安定1軸(stable single-axis:SSA)パターン]と、細胞の先導端が2つに割れたあとに片方が新たな先導端として「選択」される動きの反復[分割・選択(split and choice:S&C)パターン]が挙げられる。実際に、この2つの行動パターン間の移行は個々の細胞で観察できる。しかし、このようなパターンを生じさせるシグナル伝達分子のネットワークの概念的なフレームワークはまだ解明されていない。われわれは、膜の突出または収縮を促進する分子の膜とサイトゾルの間の相互循環がかかわる正と負のフィードバックループを備えた系が、同様の条件下で遊走行動のSSAパターンとS&Cのパターンを生むことを理論的に確認した。また、そのような系がもつ不安定性の特性(このような行動パターンの発生に不可欠)を予測し、走化性遊走する細胞にそれらの特性が存在することを確認した。われわれの研究は、細胞の極性形成などのような走化性行動を支えるネットワーク構造の単純モデルを提供するものである。

M. Otsuji, Y. Terashima, S. Ishihara, S. Kuroda, K. Matsushima, A Conceptual Molecular Network for Chemotactic Behaviors Characterized by Feedback of Molecules Cycling Between the Membrane and the Cytosol. Sci. Signal. 3, ra89 (2010).

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2010年12月14日号

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