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LRP6はGαsの膜標的の調整を介してGタンパク質共役受容体によるcAMP産生を媒介する

LRP6 Mediates cAMP Generation by G Protein-Coupled Receptors Through Regulating the Membrane Targeting of Gαs

Research Article

Sci. Signal., 15 March 2011
Vol. 4, Issue 164, p. ra15
[DOI: 10.1126/scisignal.2001464]

Mei Wan1*, Jun Li1,2, Katie Herbst3, Jin Zhang3, Bing Yu1, Xiangwei Wu1,2, Tao Qiu1, Weiqi Lei1, Charlotta Lindvall4, Bart O. Williams4, Hairong Ma1, Fengjie Zhang1,2, and Xu Cao1*

1 Department of Orthopaedic Surgery, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
2 Shihezi Medical College, Shihezi University, Xinjiang 832002, China.
3 Department of Pharmacology and Molecular Science, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
4 Laboratory of Cell Signaling and Carcinogenesis, Van Andel Research Institute, Grand Rapids, MI 49503-2518, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: mwan4@jhmi.edu (M.W.); xcao11@jhmi.edu(X.C.)

要約:ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体(GPCR)のリガンド結合は、アデニリルシクラーゼ(AC)を活性化するGタンパク質αsサブユニットを介した環状アデノシン一リン酸(cAMP)の急速な合成を刺激する。われわれは、Wntタンパク質のコレセプターである膜貫通低比重リポタンパク受容体関連タンパク質6(LRP6)がGαsβγヘテロ三量体と結合すること、またLRP6のノックダウンが副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)など各種GPCRによるcAMP産生を減弱することを明らかにした。LRP6のノックダウンはGαsの血漿膜への局在化を阻害し、その結果、GαsとPTH1Rの共役の程度が減少し、PTHによるcAMPの産生およびcAMP依存性タンパク質キナーゼ(PKA)の活性化が阻害された。PKAはLRP6をリン酸化し、これによりGαsのLRP6との結合、その血漿膜への局在化およびPTHによるcAMPの産生が亢進した。PKA部位のLRP6をノックダウンまたは突然変異させた単一細胞においてcAMP動態をモニタリングすると、PTH依存性cAMP産生の減少が認められた。以上より、cAMP産生のための機能的GPCR-Gαs-ACシグナル伝達経路を確立するためにはGαsとLRP6の結合が必要であると考えられ、現行のGPCR-cAMPパラダイムに新たな調節成分が加わった。

M. Wan, J. Li, K. Herbst, J. Zhang, B. Yu, X. Wu, T. Qiu, W. Lei, C. Lindvall, B. O. Williams, H. Ma, F. Zhang, X. Cao, LRP6 Mediates cAMP Generation by G Protein-Coupled Receptors Through Regulating the Membrane Targeting of Gαs. Sci. Signal. 4, ra15 (2011).

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2011年3月15日号

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