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複数部位のリン酸化と閾値検出による個々のオピオイド受容体の部分アゴニストの効果の定量的コード化

Quantitative Encoding of the Effect of a Partial Agonist on Individual Opioid Receptors by Multisite Phosphorylation and Threshold Detection

Research Article

Sci. Signal., 9 August 2011
Vol. 4, Issue 185, p. ra52
[DOI: 10.1126/scisignal.2001748]

Elaine K. Lau1*, Michelle Trester-Zedlitz1*, Jonathan C. Trinidad2, Sarah J. Kotowski1, Andrew N. Krutchinsky2, Alma L. Burlingame2,3, and Mark von Zastrow1,4†

1 Department of Psychiatry, University of California, San Francisco, CA 94158, USA.
2 Department of Pharmaceutical Chemistry, University of California, San Francisco, CA 94158, USA.
3 Department of Chemistry, University of California, San Francisco, CA 94158, USA.
4 Department of Cellular and Molecular Pharmacology, University of California, San Francisco, CA 94158, USA.

* These authors contributed equally to this work.

† To whom correspondence should be addressed. E-mail: mark.vonzastrow@ucsf.edu

要約:典型的に完全なアゴニストとして働く7回膜貫通型受容体の内在性のリガンドと比較して、多くの薬は部分アゴニストとして働く。部分アゴニズムは、生理系や細胞集団のレベルで明らかな「巨視的な」性質として説明できる。しかしながら、部分アゴニストが個々の受容体の「微視的な」レベルで個別の制御情報をコードしているかどうかは知られていない。本稿でわれわれは、μ-型オピオイドペプチド受容体(MORs)の部分アゴニストであるモルヒネに焦点をあてた。受容体のエンドサイトーシス促進において完全なペプチドアゴニストの有効性と比較して、モルヒネの有効性減少を調べるために、細胞生物学的解析と定量質量分析を組み合わせてこの問題に取り組んだ。われわれは、これらの化学的に異なるリガンドは、無傷細胞においてリン酸化されたオピオイド受容体型の複雑かつ質的に類似した混合物を形成することを示した。しかしながら定量的には、異なるアゴニストが、特異的なセリンとスレオニンモチーフの不均合な多部位のリン酸化を促進し、1アミノ酸残基以上の修飾は、後のMORsのエンドサイトーシスを仲介するアダプタータンパクであるβ-アレスチンの効果的な動員に必須であることを発見した。したがって、個々のオピオイド受容体のレベルでは、アゴニスト選択的なエンドサイトーシスの定量的なコード化は、複数部位のリン酸化と閾値の検出の保存された生化学的な原理に基づいていた。

E. K. Lau, M. Trester-Zedlitz, J. C. Trinidad, S. J. Kotowski, A. N. Krutchinsky, A. L. Burlingame, M. von Zastrow, Quantitative Encoding of the Effect of a Partial Agonist on Individual Opioid Receptors by Multisite Phosphorylation and Threshold Detection. Sci. Signal. 4, ra52 (2011).

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