• ホーム
  • Yapによるインスリン様増殖因子のシグナル伝達の調節は、心筋細胞の増殖と胎生期の心臓の大きさを支配する

Yapによるインスリン様増殖因子のシグナル伝達の調節は、心筋細胞の増殖と胎生期の心臓の大きさを支配する

Regulation of Insulin-Like Growth Factor Signaling by Yap Governs Cardiomyocyte Proliferation and Embryonic Heart Size

Research Article

Sci. Signal., 25 October 2011
Vol. 4, Issue 196, p. ra70
[DOI: 10.1126/scisignal.2002278]

Mei Xin1, Yuri Kim1, Lillian B. Sutherland1, Xiaoxia Qi1, John McAnally1, Robert J. Schwartz2,3, James A. Richardson1,4, Rhonda Bassel-Duby1, and Eric N. Olson1*

1 Department of Molecular Biology, University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas, 5323 Harry Hines Boulevard, Dallas, TX 75390-9148, USA.
2 Texas Heart Institute, Texas Medical Center, Houston, TX 77030, USA.
3 Department of Biology and Biochemistry, University of Houston, Houston, TX 77004, USA.
4 Department of Pathology, University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas, Dallas, TX 75390-9148, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: eric.olson@utsouthwestern.edu

要約:Hippoシグナル伝達経路は、心臓や他の組織の発達を調節する。Hippo経路のキナーゼは、転写共活性化因子Yapなどの様々な標的の活性に影響を及ぼすが、Yapの心臓発達における特異的な役割は分かっていない。われわれは、Yapがマウスにおける胎生期の心臓発達に必要十分であることを示す。胎生期のマウスの心臓におけるYapの欠失は心筋細胞の増殖を妨げ、胎生期10.5日において心筋形成不全や致死の要因となる。逆に、胎生期の心臓における恒常的活性型のYapの強制発現は、心筋細胞数と心臓サイズを増大させる。Yapは心筋細胞におけるインスリン様増殖因子(IGF)のシグナル伝達経路を活性化し、その結果として、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3βを不活性化して、心臓発達の正の調節因子であるβ-カテニンの濃度上昇を引き起こした。われわれの結果は、心筋細胞増殖の制御におけるHippo経路の重要な下流のエフェクターとして、そしてIGF、Wnt、Hippoシグナル伝達経路を心臓発達のプログラムと共役させる中核としてのYapを示している。

M. Xin, Y. Kim, L. B. Sutherland, X. Qi, J. McAnally, R. J. Schwartz, J. A. Richardson, R. Bassel-Duby, E. N. Olson, Regulation of Insulin-Like Growth Factor Signaling by Yap Governs Cardiomyocyte Proliferation and Embryonic Heart Size. Sci. Signal. 4, ra70 (2011).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2011年10月25日号

Editors' Choice

免疫学
NFATを抑制する

Editorial Guides

特集:ERKゲームのプレーヤーを募集中

Research Article

Yapによるインスリン様増殖因子のシグナル伝達の調節は、心筋細胞の増殖と胎生期の心臓の大きさを支配する

Research Resources

受容体チロシンキナーゼおよびRasから細胞外シグナル制御キナーゼへのシグナル伝達のプロテオミクスおよび機能性ゲノムの展望

Reviews

キナーゼ活性を伴わない作用:細胞外シグナル制御キナーゼのリン酸基転移非依存的な機能

最新のResearch Article記事

2025年04月22日号

がん細胞の再上皮化がオートファジーとDNA損傷を増加させる:乳がんの休眠と再発への影響

2025年04月08日号

統合失調症治療薬チオチキセンはアルギナーゼ1および連続的なエフェロサイトーシスを誘導することによってマクロファージを刺激して病原性細胞を除去する

2025年04月01日号

RIPK3はニューロンでRHIMドメイン依存性の抗ウイルス炎症転写を調整する

2025年03月25日号

細胞内RNAに結合するループス由来自己抗体はcGASに媒介される腫瘍免疫を活性化し、RNAを細胞へ送達することができる

2025年03月18日号

転移性前立腺がんにおいてキナーゼPLK1は、抗アンドロゲン剤エンザルタミドに対するヘッジホッグシグナル伝達依存性の耐性を促進する