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成熟Tリンパ球の長期的な生存の可能性は、胸腺での発達中にプログラムされる

The Long-Term Survival Potential of Mature T Lymphocytes Is Programmed During Development in the Thymus

Research Article

Sci. Signal., 15 November 2011
Vol. 4, Issue 199, p. ra77
[DOI: 10.1126/scisignal.2002246]

Charles Sinclair1*, Manoj Saini1*†, Ina Schim van der Loeff1, Shimon Sakaguchi2, and Benedict Seddon1‡

1 Division of Immune Cell Biology, Medical Research Council, National Institute for Medical Research, The Ridgeway, Mill Hill, London NW7 1AA, UK.
2 Department of Experimental Pathology, Institute for Frontier Medical Sciences, Kyoto University, Kyoto 606-8507, Japan.

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Academic Department of Rheumatology, Center for Molecular and Cellular Biology of Inflammation, Kings College London, London SE1 1UL, UK.

‡ To whom correspondence should be addressed. E-mail: bseddon@nimr.mrc.ac.uk

要約:免疫系における正常数の成熟Tリンパ球の恒常的な維持は、T細胞抗原受容体(TCR)とインターロイキン-7受容体(IL-7R)からのシグナル伝達に依存する。しかし、これらの2つの受容体の間にクロストークがあるかどうかははっきりしない。今回われわれは、胸腺におけるTリンパ球発達中のTCRシグナル伝達が、成熟Tリンパ球におけるIL-7機能の決定において中心的な役割を果たすことを確認した。われわれは、成熟T細胞におけるIl7rの発現は、胸腺における正の選択の過程で誘発される発生中のTCR依存性シグナルによって調節されており、この機構はCD4+ T細胞とCD8+T細胞の両方に共通していることを示した。末梢T細胞では、TCRシグナル伝達はIL-7Rαの存在量にも機能にも影響を与えなかったので、TCRによるIl7r発現の制御は胸腺細胞に限定されていた。最後に、IL-7Rαの存在量が至適ではない胸腺細胞は、正常宿主の末梢をパトロールする成熟Tリンパ球プールの一部を形成できないことを示した。このことから、この集団を構成するリンパ球レパートリーを形成する際ににこの機構が重要であることがわかる。

C. Sinclair, M. Saini, I. S. van der Loeff, S. Sakaguchi, B. Seddon, The Long-Term Survival Potential of Mature T Lymphocytes Is Programmed During Development in the Thymus. Sci. Signal. 4, ra77 (2011).

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