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STINGはサイトゾルDNAシグナル伝達経路においてTBK1によるIRF3リン酸化を指定する

STING Specifies IRF3 Phosphorylation by TBK1 in the Cytosolic DNA Signaling Pathway

Research Article

Sci. Signal., 6 March 2012
Vol. 5, Issue 214, p. ra20
[DOI: 10.1126/scisignal.2002521]

Yasuo Tanaka1 and Zhijian J. Chen1,2*

1 Department of Molecular Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390-9148, USA.
2 Howard Hughes Medical Institute, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390-9148, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: zhijian.chen@utsouthwestern.edu

要約:サイトゾルの二本鎖DNA(dsDNA)は、転写因子であるIRF3(インターフェロン調節因子3)を活性化する小胞体(ER)局在アダプタータンパク質STING(IFN遺伝子刺激因子)を介して、I型インターフェロン(IFN)産生を刺激する。しかし、STINGがどのようにしてIRF3を活性化するかは不明である。本稿では、in vitro再構成系において、STINGがキナーゼTBK1(TANK結合キナーゼ1)によるIRF3のリン酸化を刺激することを明らかにした。われわれは、この系を用いて、STINGのカルボキシ末端領域がTBK1を活性化して、IRF3のリン酸化を刺激する上で必要十分であることを明らかにした。また、STINGがTBK1およびIRF3と相互作用すること、IRF3との結合を選択的に阻害するSTINGの突然変異はTBK1活性を損なうことなく、IRF3のリン酸化を抑制することも明らかにした。これらの結果は、STINGは足場タンパク質として機能して、TBK1によるIRF3のリン酸化を特定し、促進することを示唆する。このSTING(およびおそらくは他のアダプタータンパク質)の足場機能は、TBK1を活性化するシグナル伝達経路サブセットにおいてのみIRF3が活性化される理由を説明すると考えられる。

Y. Tanaka, Z. J. Chen, STING Specifies IRF3 Phosphorylation by TBK1 in the Cytosolic DNA Signaling Pathway. Sci. Signal. 5, ra20 (2012).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

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