• ホーム
  • 嗅覚の環状ヌクレオチド感受性チャネルのCNGA4およびCNGB1bサブユニットの環状ヌクレオチドによる分別的調節

嗅覚の環状ヌクレオチド感受性チャネルのCNGA4およびCNGB1bサブユニットの環状ヌクレオチドによる分別的調節

Differential Regulation by Cyclic Nucleotides of the CNGA4 and CNGB1b Subunits in Olfactory Cyclic Nucleotide–Gated Channels

Research Article

Sci. Signal., 10 July 2012
Vol. 5, Issue 232, p. ra48
[DOI: 10.1126/scisignal.2003110]

Vasilica Nache1, Thomas Zimmer1, Nisa Wongsamitkul1, Ralf Schmauder1, Jana Kusch1, Lisa Reinhardt1, Wolfgang Bönigk2, Reinhard Seifert2, Christoph Biskup1,3, Frank Schwede4, and Klaus Benndorf1*

1 Institute of Physiology II, University Hospital Jena, Friedrich-Schiller-University Jena, D-07740 Jena, Germany.
2 Center of Advanced European Studies and Research, Molecular Sensory Systems, Ludwig-Erhard-Allee 2, D-53175 Bonn, Germany.
3 Biomolecular Photonics Group, University Hospital Jena, Friedrich-Schiller-University Jena, D-07740 Jena, Germany.
4 BIOLOG Life Science Institute, Flughafendamm 9A, D-28199 Bremen, Germany.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: Klaus.Benndorf@mti.uni-jena.de

要約:嗅覚の環状ヌクレオチド感受性(CNG)イオンチャネルは、嗅覚ニューロンのシグナル伝達に不可欠な寄与因子である。このチャネルの活性は、環状ヌクレオチドのグアノシン3',5'一リン酸(cGMP)とアデノシン3',5'一リン酸(cAMP)による制御を受ける。また、嗅覚CNGチャネルは、2つのCNGA2サブユニット、1つのCNGA4、および1つのCNGB1bサブユニットから成り、各サブユニットは環状ヌクレオチド結合ドメインを含んでいる。われわれは蛍光パッチクランプ法を用いて、リガンドの結合とチャネルの活性化を同時に測定し、cGMPは2つのCNGA2サブユニットに結合するだけでなく、CNGA4サブユニットに結合することによっても嗅覚CNGチャネルを活性化したことを明らかにした。CNGA2サブユニットのリガンド結合能が失われているチャネルでも、CNGA4へのcGMPの結合は、チャネルを部分的に活性化するのに十分であった。対照的に、このヘテロ四量体チャネルにおいてCNGB1bサブユニットはcGMPに結合しなかったが、このサブユニットをもつチャネルはcAMPによる活性化を示した。このように、これら調節性サブユニットは、リガンドの結合からヘテロ四量体である嗅覚CNGチャネルの活性化への変換に積極的に関わり、チャネルが環状ヌクレオチドを識別することを可能にしている。

V. Nache, T. Zimmer, N. Wongsamitkul, R. Schmauder, J. Kusch, L. Reinhardt, W. Bönigk, R. Seifert, C. Biskup, F. Schwede, K. Benndorf, Differential Regulation by Cyclic Nucleotides of the CNGA4 and CNGB1b Subunits in Olfactory Cyclic Nucleotide-Gated Channels. Sci. Signal. 5, ra48 (2012).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2012年7月10日号

Editors' Choice

がん
がん細胞を死滅から守る

Research Article

嗅覚の環状ヌクレオチド感受性チャネルのCNGA4およびCNGB1bサブユニットの環状ヌクレオチドによる分別的調節

アダプタータンパク質SLP-76における相補的リン酸化部位はナチュラルキラー細胞の相乗的活性化を促進する

最新のResearch Article記事

2025年07月29日号

USP5はFcεRIγを脱ユビキチン化して安定化させ、IgEに誘導されるマスト細胞の活性化とアレルギー性炎症を促進する

2025年07月29日号

プロテオミクス解析により発がん性KRASシグナル伝達の標的、経路および細胞への影響を特定

2025年07月22日号

心筋細胞におけるPTP1Bの欠失は心臓の代謝シグナル伝達を変化させ、高脂肪食によって誘発される心筋症を予防する

2025年07月22日号

レポーターに基づくスクリーニングによってRAS-RAF変異を大腸がんにおける活性型RAS阻害薬耐性のドライバーとして同定

2025年07月15日号

ウイルス性脳炎マウスでは、アストロサイトのRIPK3が転写レベルでセルピンを誘導することにより保護的抗炎症活性を発揮する