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コイルドコイル-ステライルαモチーフ(CC-SAM)ドメインは足場タンパク質KSR-1を細胞膜の特異的な部位に向かわせる

A CC-SAM, for Coiled Coil–Sterile α Motif, Domain Targets the Scaffold KSR-1 to Specific Sites in the Plasma Membrane

Research Article

Sci. Signal., 18 December 2012
Vol. 5, Issue 255, p. ra94
[DOI: 10.1126/scisignal.2003289]

Dorothy Koveal1, Natasha Schuh-Nuhfer2, Daniel Ritt2, Rebecca Page1, Deborah K. Morrison2*, and Wolfgang Peti3,4*

1 Department of Molecular Biology, Cell Biology and Biochemistry, Brown University, Providence, RI 02903, USA.
2 Laboratory of Cell and Developmental Signaling, SAIC-Frederick Inc., National Cancer Institute at Frederick, Frederick, MD 21702, USA.
3 Department of Molecular Pharmacology, Physiology and Biotechnology, Brown University, Providence, RI 02903, USA.
4 Department of Chemistry, Brown University, Providence, RI 02912, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: morrisod@mail.nih.gov (D.K.M.); Wolfgang_Peti@brown.edu (W.P.)

要約:Kinase suppressor of Ras-1(KSR-1)は必須の足場タンパク質であり、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)キナーゼキナーゼRaf、MAPKキナーゼMEK(マイトジェン活性化または細胞外シグナル制御プロテインキナーゼキナーゼ)、MAPK ERK(細胞外シグナル制御キナーゼ)で構成されるMAPKモジュールの会合を調整し、MEKの活性化とそれによるERKの活性化を促進する。KSR-1は、部分的には、リン脂質に結合する非典型C1ドメインによって細胞膜に標的化されるが、その他のドメインも関与する可能性がある。われわれは、KSR-1のもう1つのドメインを同定し、CC-SAMと名付けた。CC-SAMは、コイルドコイル(CC)とステライルαモチーフ(sterile α motif:SAM)で構成される。CC-SAMドメインは、成長因子処理細胞において、KSR-1を細胞膜の特異的なシグナル伝達部位に向かわせ、in vitroで種々のミセルとバイセルに直接結合したことから、CC-SAMは膜結合モジュールとして機能することが示唆された。核磁気共鳴分光法と培養細胞での実験を併用して、われわれは、膜結合がCCモチーフのヘリックスα3によって媒介されることと、α3の残基を変異させると、KSR-1を細胞膜に向かわせる作用が消失することを見出した。したがって、KSR-1を細胞膜に向かわせるには、非典型C1ドメインに加えて、CC-SAMドメインが必要である。

D. Koveal, N. Schuh-Nuhfer, D. Ritt, R. Page, D. K. Morrison, W. Peti, A CC-SAM, for Coiled Coil-Sterile α Motif, Domain Targets the Scaffold KSR-1 to Specific Sites in the Plasma Membrane. Sci. Signal. 5, ra94 (2012).

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