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粘りのあるシグナル伝達—AdhesionクラスGタンパク質共役受容体が舞台に上がる

Sticky Signaling—Adhesion Class G Protein–Coupled Receptors Take the Stage

Reviews

Sci. Signal., 21 May 2013
Vol. 6, Issue 276, p. re3
[DOI: 10.1126/scisignal.2003825]

Tobias Langenhan1*†, Gabriela Aust2*, and Jörg Hamann3*

1 Institute of Physiology, Department of Neurophysiology, University of Würzburg, Röntgenring 9, 97070 Würzburg, Germany.
2 Department of Surgery, Research Laboratories, University of Leipzig, Liebigstr. 20, 04103 Leipzig, Germany.
3 Department of Experimental Immunology, Academic Medical Center, University of Amsterdam, Meibergdreef 9, 1105AZ Amsterdam, Netherlands.

* All authors contributed equally to this work.

† Corresponding author. E-mail: tobias.langenhan@uni-wuerzburg.de

要約:Adhesion型ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体(Adhesion-GPCR)は、独特の配置と性質をもつ、広く分布する7回膜貫通型(7TM)受容体の一群から成る。Adhesion-GPCRの機能を理解するための鍵は、そのハイブリッド構造にあると考えられる。Adhesion-GPCRには、相互作用に適したタンパク質折り畳み構造の拡張配列を含む細胞外ドメインと、GPCRの構造要素である7TMおよび細胞内ドメインがある。これらの別個のタンパク質部分が相互作用するのかどうか、またどのように相互作用するのかが、現在熱心に研究されている。興味深いことに、すべてのAdhesion-GPCRには膜近傍のGPCR自己タンパク質分解誘導(GPCR autoproteolysis-inducing:GAIN)ドメインがあり、このドメインが、多くのホモログにおいて、N末端フラグメント(NTF)とC末端フラグメント(CTF)への自己触媒的プロセシングを促進し、NTFとCTFはその後、細胞表面に付着して残る。NTFは、発生、免疫応答、腫瘍増殖において細胞またはマトリックス結合分子と組み合わさることにより細胞接着、配向、位置決めを促進する能力をもたらす。CTFは、標準的GPCRの場合と同様に、ヘテロ三量体Gタンパク質、低分子量グアノシントリホスファターゼ、膜貫通型タンパク質パートナーなどのさまざまな種類のシグナル伝達分子と相互作用を開始するが、既知のAdhesion-GPCRリガンドのほとんどは、アゴニスト作用をもつかどうか明らかにされていない。切断型受容体を用いた研究では、Adhesion-GPCRのNTFとCTFが、それぞれ、自律的な接着単位とシグナル伝達単位として機能する可能性が示唆されているが、無脊椎動物においてNTF-CTF間相互作用を示した研究もあり、この考え方には疑問がもたれている。われわれは、Adhesion-GPCRの主要な構造要素に関する入手可能なデータを、受容体機能およびシグナル伝達と関連付けて検討する。

T. Langenhan, G. Aust, J. Hamann, Sticky Signaling—Adhesion Class G Protein–Coupled Receptors Take the Stage. Sci. Signal. 6, re3 (2013).

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