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解明されつつある内皮の生物学におけるPLCγ1の役割

Emerging roles of PLCγ1 in endothelial biology

Reviews

Science Signaling 03 Aug 2021:
Vol. 14, Issue 694, eabc6612
DOI: 10.1126/scisignal.abc6612

Dongying Chen and Michael Simons*

Yale Cardiovascular Research Center, Departments of Internal Medicine and Cell Biology, Yale University School of Medicine, New Haven, CT 06511, USA.

* Corresponding author. Email: michael.simons@yale.edu

要約

ホスホリパーゼCγ1(PLCγ1)は、膜脂質を加水分解してセカンドメッセンジャーを産生させることでシグナルトランスデューサーとして働く、PLCファミリーのメンバーである。PLCγ1がもつ固有のタンパク質構造が、直接的なVEGFR2エフェクターとしての重要な役割をPLCγ1にもたらし、他の受容体チロシンキナーゼが介するシグナル伝達を可能にしている。PLCγ1欠損動物モデルにおける特徴的な血管表現型、およびヒト内皮がんで認められるPLCγ1機能獲得型変異は、PLCγ1が内皮系で果たしている重要な生理的役割を示唆している。本総説においてわれわれは、PLCγ1を中心とした生理的および分子的機能の側面を内皮細胞との関連で考察し、将来の研究の展望を示している。

Citation: D. Chen, M. Simons, Emerging roles of PLCγ1 in endothelial biology. Sci. Signal. 14, eabc6612 (2021).

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