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近位ビオチン標識から得られた接着斑の分子構成に関するナノメートルスケールの洞察

Proximity biotinylation provides insight into the molecular composition of focal adhesions at the nanometer scale

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Sci. Signal. 14 Jun 2016:
Vol. 9, Issue 432, pp. rs4
DOI: 10.1126/scisignal.aaf3572

Jing-Ming Dong1, Felicia Pei-Ling Tay1, Hannah Lee-Foon Swa2, Jayantha Gunaratne2,3, Thomas Leung1, Brian Burke4, and Ed Manser1,4,5,*

1 sGSK Group, Institute of Molecular and Cell Biology, Agency for Science Technology and Research, Proteos Building, 61 Biopolis Drive, Singapore 138673, Singapore.
2 Quantitative Proteomics Group, Institute of Molecular and Cell Biology, Agency for Science Technology and Research, Singapore 138673, Singapore.
3 Yong Loo Lin School of Medicine, National University of Singapore, Singapore 117597, Singapore.
4 Institute of Medical Biology, 8A Biomedical Grove, #06-06 Immunos Building, Singapore 138648, Singapore.
5 Department of Pharmacology, National University of Singapore, Singapore 117597, Singapore.

*Corresponding author. Email: ed.manser@imcb.a-star.edu.sg

要約  接着斑は、膜貫通タンパク質のインテグリンファミリーを介して後生動物細胞を細胞外マトリックスと結び付けているタンパク質複合体である。インテグリンは多くのタンパク質を、「adhesome」と呼ばれるこれらの複合体に動員する。われわれはU2OS骨肉腫細胞に近位依存性ビオチン標識(BioID)を適用し、パキシリン(接着斑の細胞質側のタンパク質)およびキンドリン-2(βインテグリンに直接結合する)の15〜20nm以内にあるタンパク質を標識した。ビオチン化タンパク質の質量分析により、パキシリン近位に27種類の既知のadhesomeタンパク質と、8種類の未知の構成要素を同定した。しかし、これらのタンパク質のうちパキシリンと直接相互作用したものは7種類に過ぎず、その1種はアダプタータンパク質であるKank2であった。βインテグリン近位のタンパク質には、パキシリンBioIDデータセットで特定されていた接着タンパク質のうち15種類が含まれていた。また、BioIDにより、キンドリン-2が細胞間結合タンパク質であることを正確に示すことができた。この比較的小さいデータセットに注目することで、キンドリン-2の新たなパートナー、すなわちエンドサイトーシス促進タンパク質であるリプリンβ1およびEFR3Aが確認されたが、既報と異なり、フィラミン結合タンパク質であるミグフィリンは認められなかった。両データセットに基づくadhesomeモデルから、接着斑には以前考えられていたものよりも少ない構成要素が含まれていること、また、パキシリンは細胞質膜から離れた位置に存在していることが示唆された。これらのデータは、adhesome高分子複合体を明確にできるのみならず、adhesome内の治療標的も正しく特定できる、BioIDと安定同位体標識質量分析法の能力を示している。

Citation: J.-M. Dong, F. P.-L. Tay, H. L.-F. Swa, J. Gunaratne, T. Leung, B. Burke, E. Manser, Proximity biotinylation provides insight into the molecular composition of focal adhesions at the nanometer scale. Sci. Signal. 9, rs4 (2016).

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