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プロテオームワイド解析からアルギニンモノメチル化がヒト細胞において広範におきていることを解明

Proteome-wide analysis of arginine monomethylation reveals widespread occurrence in human cells

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Sci. Signal. 30 Aug 2016:
Vol. 9, Issue 443, pp. rs9
DOI: 10.1126/scisignal.aaf7329

Sara C. Larsen1,*, Kathrine B. Sylvestersen1,*, Andreas Mund2, David Lyon3, Meeli Mullari1, Maria V. Madsen1, Jeremy A. Daniel2, Lars J. Jensen3, and Michael L. Nielsen1,†

1 Department of Proteomics, Novo Nordisk Foundation Center for Protein Research, Faculty of Health and Medical Sciences, University of Copenhagen, DK-2200 Copenhagen, Denmark.
2 Department of Protein Signaling, Novo Nordisk Foundation Center for Protein Research, Faculty of Health and Medical Sciences, University of Copenhagen, DK-2200 Copenhagen, Denmark.
3 Department of Disease Systems Biology, Novo Nordisk Foundation Center for Protein Research, Faculty of Health and Medical Sciences, University of Copenhagen, DK-2200 Copenhagen, Denmark.

† Corresponding author. Email: michael.lund.nielsen@cpr.ku.dk

* These authors contributed equally to this work.

要約  アルギニンメチル化によるタンパク質の翻訳後修飾は機能上重要であるが、この修飾の程度は十分に明らかにされていない。われわれは高解像度質量分析を用い、ヒト胎児由来腎臓293細胞の3300種のヒトタンパク質において8030のアルギニンメチル化部位を特定した。これは、この修飾がリン酸化およびユビキチン化と同程度に行われていることを示している。部位レベルでの保存性を解析することによって、アルギニンメチル化部位は、メチル化による修飾部位として特定されなかったアルギニンに比べて、進化的に保存されていないことが明らかにされた。アルギニンメチル化の化学量論を検討するために定量的プロテオミクスおよびRNA干渉を用いる中で、我々は、タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ(PRMT)ファミリーのアルギニンメチルトランスフェラーゼが、アルギニン配列の前後関係とは関係なくメチル化を触媒することを予想外に見いだした。プロテオーム全体のアルギニンメチル化部位での体細胞変異の頻度とは対照的に、われわれは、mRNAスプライシングに関与するタンパク質のアルギニンメチル化部位において、体細胞変異が高頻度に生じていることを観察した。さらに、HeLaおよびU2OS細胞では、異なるアルギニンメチルトランスフェラーゼがプレ−mRNAスプライシング因子SRSF2(セリン/アルギニン−リッチスプライシング因子2)およびRNA輸送リボ核酸タンパク質HNRNPUL1(heterogeneous nuclear ribonucleoprotein U-like 1)の機能を差次的に制御していることを見いだした。PRMT5のノックダウンはSRSF2のRNA結合機能を障害する一方で、PRMT4[別名、コアクチベーター関連アルギニンメチルトランスフェラーゼ1(CARM1)]またはPRMT1のノックダウンはHNRNPUL1のRNA結合機能を亢進した。さらにハイコンテント単一細胞イメージングから、CARM1のノックダウンは細胞周期とは無関係にSRSF2の核蓄積を促進することを明らかにした。まとめると、ここに示したヒトアルギニンのメチロームは、細胞生理およびタンパク質調節の総合的な全体像を埋める、欠けているピースである。

Citation: S.C. Larsen, K.B. Sylvestersen, A. Mund, D. Lyon, M. Mullari, M.V. Madsen, J.A. Daniel, L.J. Jensen, M.L. Nielsen. Sci. Signal. 9, rs9 (2016).

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