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酵母における浸透圧ストレス応答のプロテインキナーゼ特異的エフェクターの同定

Identifying protein kinase–specific effectors of the osmostress response in yeast

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Sci. Signal. 07 Mar 2017:
Vol. 10, Issue 469,
DOI: 10.1126/scisignal.aag2435

Natalie Romanov1,*, David Maria Hollenstein1,†, Marion Janschitz1,†, Gustav Ammerer1, Dorothea Anrather2, and Wolfgang Reiter1,‡

1 Department for Biochemistry, Max F. Perutz Laboratories, University of Vienna, Dr. Bohr-Gasse 9, A-1030 Vienna, Austria.
2 Mass Spectrometry Facility, Max F. Perutz Laboratories, Dr. Bohr-Gasse 9, A-1030 Vienna, Austria.

‡ Corresponding author. Email: wolfgang.l.reiter@univie.ac.at

* Present address: Structural and Computational Biology Unit, European Molecular Biology Laboratory, Meyerhofstrasse 1, 69117 Heidelberg, Germany.

† These authors contributed equally to this work.

要約

出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)は、多くの細胞プロセスを改変することにより、増加した外部浸透圧に応答する。適応シグナル伝達は、主として、コア構造において哺乳動物p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路と密接に関連する高浸透圧グリセロール(HOG)経路に依存する。われわれは、MAPK Hog1の標的タンパク質を同定するため、出芽酵母ホスホプロテオームに及ぼすHog1の活性化または阻害の影響を測定する質量分析に基づくハイスループット実験を設計した。さらに、われわれは、Hog1の既知のエフェクタープロテインキナーゼ標的をコードするRCK2の欠損が浸透圧ストレス誘導性リン酸化をどのように調節するかを解析した。われわれの結果は、HOG経路の活性により直接的および間接的に影響される細胞機能の多様性の概要を提供するだけでなく、浸透圧ストレス条件下で生じるHog1非依存的事象の評価も可能にした。われわれは、セリンまたはスレオニン、続くプロリンからなるモチーフ(S/T-Pモチーフ)の調節を解析することによりHog1の直接標的の候補数を拡大させ、続いてin vivo相互作用アッセイでそれらを検証した。Rck2は、多くのHog1媒介二次リン酸化事象の中心的ハブとして作用するようである。本研究は、HOGシグナル伝達およびそのストレス適応機能の直接的および間接的作用の多くを明らかにする。

Citation: N. Romanov, D. M. Hollenstein, M. Janschitz, G. Ammerer, D. Anrather, W. Reiter, Identifying protein kinase-specific effectors of the osmostress response in yeast. Sci. Signal.10, eaag2435 (2017).

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