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EGFRリン酸化のライブセルイメージングのための組換えタンパク質バイオセンサーの設計と評価

Design and evaluation of engineered protein biosensors for live-cell imaging of EGFR phosphorylation

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Sci. Signal. 04 Jun 2019:
Vol. 12, Issue 584, eaap7584
DOI: 10.1126/scisignal.aap7584

Karthik Tiruthani1,*, Adam Mischler1,*, Shoeb Ahmed2,*, Jessica Mahinthakumar1, Jason M. Haugh1,†, and Balaji M. Rao1,†

1 Department of Chemical and Biomolecular Engineering, North Carolina State University, Raleigh, NC 27695, USA.
2 Department of Chemical Engineering, Bangladesh University of Engineering and Technology, Dhaka-1000, Bangladesh.

† Corresponding author. Email: jmhaugh@ncsu.edu (J.M.H.); bmrao@ncsu.edu (B.M.R.)

* These authors contributed equally to this work.

要約

ライブセル蛍光顕微鏡は、受容体媒介細胞シグナル伝達の動態を研究するために広く用いられているが、細胞内バイオセンサーの利用可能性は限られている。表皮成長因子受容体(EGFR)のリン酸化の測定には、ホスホリパーゼC-γ1(PLCγ1)由来のタンデムSH2ドメインに基づくバイオセンサー(tSH2-WT)が用いられてきた。ここで、われわれは、SH2ドメインの知られている結合対象の選択性の低さと一致して、tSH2-WTがリン酸化EGFRに対する特異性を欠くことを見出した。さらに、EGF刺激によるtSH2-WTの膜動員は、EGFRリン酸化の予想される速度論と質的に異なっていた。数理モデルの分析は、tSH2-WTの高い結合力がその標的の飽和およびEGFRエンドサイトーシスの妨害をもたらすことを示唆し、実験により確認された。見かけの標的特異性および飽和問題を克服するため、われわれは、2つのタンパク質工学戦略を実践した。最初の手法では、PLCγ1のC末端SH2ドメイン(cSH2)のランダム変異誘発によって生成されたコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングし、EGFRのリン酸化Tyr992(pTyr992)に対する特異性が強化された変異型(mSH2)を単離した。mSH2に基づくバイオセンサーは、EGFRリン酸化の速度論を厳密にリポートしつつ、tSH2-WTと同様の交差反応性も保持していた。第二の手法では、Sso7dタンパク質骨格の変異誘発により生成されたコンビナトリアルライブラリーからpTyr992結合タンパク質(SPY992)を単離した。tSH2-WTおよびmSH2と比較して、SPY992は特異的な中程度の親和性のバイオセンサーとして優れた性能を示した。この手法を拡張して、EGFR pTyr1148に対するバイオセンサー(SPY1148)を単離した。理論的考察をタンパク質工学戦略と統合するこの手法は、さまざまなリン酸特異的標的に適したバイオセンサーを設計および評価するために一般化されうる。

Citation: K. Tiruthani, A. Mischler, S. Ahmed, J. Mahinthakumar, J. M. Haugh, B. M. Rao, Design and evaluation of engineered protein biosensors for live-cell imaging of EGFR phosphorylation. Sci. Signal. 12, eaap7584 (2019).

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