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抗Mycタグモノクローナル抗体9E10は、隣接する配列前後関係に依存する変動の大きいエピトープ認識を示す

The Myc tag monoclonal antibody 9E10 displays highly variable epitope recognition dependent on neighboring sequence context

Research Resources

Sci. Signal. 28 Jan 2020:
Vol. 13, Issue 616, eaax9730
DOI: 10.1126/scisignal.aax9730

Stefan Schüchner, Christian Behm*, Ingrid Mudrak, and Egon Ogris†

Center for Medical Biochemistry, Max Perutz Labs, Vienna BioCenter, Medical University of Vienna, Dr. Bohr-Gasse 9, A-1030 Vienna, Austria.

† Corresponding author. Email: egon.ogris@meduniwien.ac.at

* Present address: University Clinic of Dentistry, Medical University of Vienna, Sensengasse 2a, A-1090 Vienna, Austria.

要約

エピトープタグは短い線状の抗体認識配列であり、これが抗体によるタグ融合タンパク質の検出を可能にしている。エピトープタグの位置および隣接配列は抗体によるその認識に影響する可能性があり、またそのような状況依存的なタグ結合の違いは、データの解釈に広範囲にわたる影響を及ぼすと考えられる。われわれは、モノクローナル抗体である9E10、4A6、9B11および71D10とポリクローナル抗体である9106およびA-14を含む、c-Mycエピトープタグを認識する6つの抗体を、ウェスタンブロットにより検討した。そのすべてが、NまたはC末端のMycタグタンパク質の検出能力に状況依存的な違いを示していた。特に、最も引用されているMycタグ抗体であるクローン9E10は状況依存的検出に大きい変動を示したのに対し、その他(特に4A6および9B11)はMycタグタンパク質の検出に、状況依存性が極めて低かった。9E10の非常に高い状況依存性はさらにペプチドマイクロアレイ解析によって実証された。最近開発され特別な目的に作成されたMyc特異的モノクローナル抗体は、多様なアッセイにおいて極めて一様な反応を示し、また従来からある抗体である9E10に比べはるかに状況依存性が低いと結論付けられた。

Citation: S. Schüchner, C. Behm, I. Mudrak, E. Ogris, The Myc tag monoclonal antibody 9E10 displays highly variable epitope recognition dependent on neighboring sequence context. Sci. Signal. 13, eaax9730 (2020).

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