• ホーム
  • SARS-CoV-2に用いられる細胞侵入システムにおける短鎖モチーフ候補とそれらの潜在的な治療上の意味

SARS-CoV-2に用いられる細胞侵入システムにおける短鎖モチーフ候補とそれらの潜在的な治療上の意味

Short linear motif candidates in the cell entry system used by SARS-CoV-2 and their potential therapeutic implications

Research Resources

Sci. Signal. 12 Jan 2021:
Vol. 14, Issue 665, eabd0334
DOI: 10.1126/scisignal.abd0334

Bálint Mészáros1,*, Hugo Sámano-Sánchez1, Jesús Alvarado-Valverde1,2, Jelena Čalyševa1,2, Elizabeth Martínez-Pérez1,3, Renato Alves1, Denis C. Shields4, Manjeet Kumar1,*, Friedrich Rippmann5, Lucía B. Chemes6,*, and Toby J. Gibson1,*

  1. 1 Structural and Computational Biology Unit, European Molecular Biology Laboratory, Heidelberg 69117, Germany.
  2. 2 Collaboration for joint PhD degree between EMBL and Heidelberg University, Faculty of Biosciences.
  3. 3 Laboratorio de bioinformática estructural, Fundación Instituto Leloir, C1405BWE Buenos Aires, Argentina.
  4. 4 School of Medicine, University College Dublin, Dublin 4, Ireland.
  5. 5 Computational Chemistry & Biology, Merck KGaA, Frankfurter Str. 250, 64293 Darmstadt, Germany.
  6. 6 Instituto de Investigaciones Biotecnológicas "Dr. Rodolfo A. Ugalde", IIB-UNSAM, IIBIO-CONICET, Universidad Nacional de San Martín, CP1650 San Martín, Buenos Aires, Argentina.

* Corresponding author. Email: balint.meszaros@embl.de (B.M.); manjeet.kumar@embl.de (M.K.); lchemes@iib.unsam.edu.ar (L.B.C.); toby.gibson@embl.de (T.J.G.)

要約

最初に報告された宿主細胞のSARS-CoV-2受容体は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)であった。しかしながら、ウイルススパイクタンパク質にはRGDモチーフもあり、細胞表面インテグリンが補助受容体である可能性が示唆されている。ACE2とインテグリンの配列をEukaryotic Linear Motif(ELM)リソースで調べ、エンドサイトーシス、膜ダイナミクス、オートファジー、細胞骨格、細胞シグナル伝達に潜在的な役割を持つ、短く、構造不定の細胞質側末端領域に候補となる短鎖モチーフ(SLiM)を同定した。これらのSLiM候補は、脊椎動物で高度に保存されており、エンドサイトーシス関連AP2アダプター複合体のµ2サブユニット、およびヒトのシグナル伝達および調節タンパク質に見られるさまざまなタンパク質ドメイン(すなわち、I-BAR、LC3、PDZ、PTB、およびSH2)と相互作用する可能性がある。いくつかのモチーフは、末端領域の配列で重複しており、チロシンリン酸化状態に応答するなど、分子スイッチとして機能する可能性があることを示唆している。候補LC3相互作用領域(LIR)モチーフは、インテグリンβ3およびACE2の末端領域に存在し、これらのタンパク質がオートファジー構成因子を直接動員できることを示唆している。われわれの知見は、SARS-CoV-2の付着、侵入、複製の機構を明らかにしうるいくつかの分子リンクと検証可能な仮説を同定し、それらに対して、ウイルス感染と疾患の進行を抑える宿主指向型治療法を開発できる可能性がある。これらのSLiMのいくつかは、予測されるペプチド相互作用を仲介することが現在検証されている。

Citation: B. Mészáros, H. Sámano-Sánchez, J. Alvarado-Valverde, J. Čalyševa, E. Martínez-Pérez, R. Alves, D. C. Shields, M. Kumar, F. Rippmann, L. B. Chemes, T. J. Gibson, Short linear motif candidates in the cell entry system used by SARS-CoV-2 and their potential therapeutic implications. Sci. Signal. 14, eabd0334 (2021).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2021年1月12日号

Editor's Choice

H2O2で呼吸する

Research Article

ACE2およびインテグリンβ3の細胞質側の短鎖モチーフが、SARS-CoV-2宿主細胞受容体を、エンドサイトーシスおよびオートファジーのメディエーターにリンクする

増強されたBMPシグナル伝達はオートファジー性βカテニン分解を抑制することによって頭蓋神経堤細胞の分化運命を軟骨形成に決定づける

Research Resources

SARS-CoV-2に用いられる細胞侵入システムにおける短鎖モチーフ候補とそれらの潜在的な治療上の意味

最新のResearch Resources記事

2021年3月16日号

痛みの機構と治療標的を発見するためのリガンド-受容体インタラクトームのプラットフォーム

2021年1月12日号

SARS-CoV-2に用いられる細胞侵入システムにおける短鎖モチーフ候補とそれらの潜在的な治療上の意味

2020年12月8日号

新規のTNFR2アゴニスト抗体によるきわめて強力な制御性T細胞の増殖

2020年12月1日号

トランスオミクス解析から肥満における肝臓のグルコース応答性代謝の変化に関わるアロステリック経路と遺伝子調節経路が明らかに

2020年10月13日号

RASSFエフェクターが多様なRASサブファミリーGTPアーゼをHippo経路に結び付ける