• ホーム
  • 増強されたBMPシグナル伝達はオートファジー性βカテニン分解を抑制することによって頭蓋神経堤細胞の分化運命を軟骨形成に決定づける

増強されたBMPシグナル伝達はオートファジー性βカテニン分解を抑制することによって頭蓋神経堤細胞の分化運命を軟骨形成に決定づける

Augmented BMP signaling commits cranial neural crest cells to a chondrogenic fate by suppressing autophagic β-catenin degradation

Research Article

Sci. Signal. 12 Jan 2021:
Vol. 14, Issue 665, eaaz9368
DOI: 10.1126/scisignal.aaz9368

Jingwen Yang1,2, Megumi Kitami3,4, Haichun Pan2, Masako Toda Nakamura2, Honghao Zhang2, Fei Liu2, Lingxin Zhu1,5, Yoshihiro Komatsu3,4,*, and Yuji Mishina2,*

  1. 1 The State Key Laboratory Breeding Base of Basic Science of Stomatology (Hubei-MOST) and Key Laboratory of Oral Biomedicine Ministry of Education, School and Hospital of Stomatology, Wuhan University, Wuhan 430079, China.
  2. 2 Department of Biologic and Materials Sciences, School of Dentistry, University of Michigan, Ann Arbor, MI 48109, USA.
  3. 3 Department of Pediatrics, University of Texas Medical School at Houston, Houston, TX 77030, USA.
  4. 4 Graduate Program in Genes and Development, University of Texas Graduate School of Biomedical Sciences at Houston, Houston, TX 77030, USA.
  5. 5 Life Sciences Institute, University of Michigan, Ann Arbor, MI 48109, USA.

* Corresponding author. Email: yoshihiro.komatsu@uth.tmc.edu (Y.K.); mishina@umich.edu (Y.M.)

要約

頭蓋神経堤細胞(CNCC)は、発生中に頭蓋顔面の骨と軟骨を生じさせる多能性神経幹細胞の集団である。骨形成タンパク質(BMP)シグナル伝達とオートファジーは個別に幹細胞ホメオスタシスと関連づけられている。I型BMP受容体ACVR1の恒常的活性化を引き起こす変異は、先天性疾患である進行性骨化性線維異形成症(FOP)の原因になる。FOPは、体幹の結合組織における異所性の軟骨化および骨化を特徴とし、ときに頭蓋顔面骨にも異所形成がみられる。本稿でわれわれは、マウスのCNCCで構成的に活性化させたACVR1(ca-ACVR1)によってBMPシグナル伝達を促進させると、オートファジーに依存した機構を介して頭蓋顔面領域で異所性の軟骨形成が誘導されることを明らかにした。増強されたBMPシグナル伝達は、mTORC1を活性化することによってオートファジーを抑制し、それによってオートファジー性βカテニン分解が遮断され、結果的にCNCCは軟骨を形成するよう運命づけられる。ca-Acvr1変異体では、mTORC1の一過性遮断、オートファジーの再活性化、またはWnt-βカテニンシグナル伝達の抑制によって異所性軟骨は減少した。これらの結果は、BMPシグナル伝達とオートファジーがβカテニンの活性を協調的に調節して頭蓋顔面発生中のCNCCの分化運命を方向づけていることを示唆している。また、これらの知見によって、一部のFOP患者で頭蓋顔面領域の軟骨内骨化による異所性骨化が発生する理由も説明できる可能性がある。

Citation: J. Yang, M. Kitami, H. Pan, M. T. Nakamura, H. Zhang, F. Liu, L. Zhu, Y. Komatsu, Y. Mishina, Augmented BMP signaling commits cranial neural crest cells to a chondrogenic fate by suppressing autophagic β-catenin degradation. Sci. Signal. 14, eaaz9368 (2021).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2021年1月12日号

Editor's Choice

H2O2で呼吸する

Research Article

ACE2およびインテグリンβ3の細胞質側の短鎖モチーフが、SARS-CoV-2宿主細胞受容体を、エンドサイトーシスおよびオートファジーのメディエーターにリンクする

増強されたBMPシグナル伝達はオートファジー性βカテニン分解を抑制することによって頭蓋神経堤細胞の分化運命を軟骨形成に決定づける

Research Resources

SARS-CoV-2に用いられる細胞侵入システムにおける短鎖モチーフ候補とそれらの潜在的な治療上の意味

最新のResearch Article記事

2021年3月30日号

GRK5のN末端ペプチドが圧過負荷肥大心および心不全を軽減する

イノシトール1,4,5-三リン酸3-キナーゼBはCa2+動員と樹状細胞の炎症活性を促進する

2021年3月23日号

TMEM16Fは免疫シナプスでのバイスタンダーTCR結合CD3の膜解離を仲介してT細胞の活性化を増強する

NAADP誘発性Ca2+シグナル伝達においてJPT2は必須条件である

HN1L/JPT2:NAADPの生成をCa2+マイクロドメイン形成に結び付けるシグナル伝達タンパク質