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光遺伝学的に調節されるインフラマソームの活性化がパイロトーシス中の細胞膨張が二相から成ることを実証する
Optogenetically controlled inflammasome activation demonstrates two phases of cell swelling during pyroptosis
SCIENCE SIGNALING
23 Apr 2024 Vol 17, Issue 833
[DOI: 10.1126/scisignal.abn8003]
Julien Nadjar1, †, Sylvain Monnier2, *, †, Estelle Bastien2, Anne-Laure Huber1, Christiane Oddou3, Léa Bardoulet1, Hubert B. Leloup1, Gabriel Ichim1, Christophe Vanbelle1, Bénédicte F. Py4, Olivier Destaing3, ‡, Virginie Petrilli1, *, ‡
- 1 CRCL, Centre de Recherche en Cancérologie de Lyon, INSERM U1052, CNRS UMR5286, Université de Lyon, Université Claude Bernard Lyon 1, Centre Léon Bérard, F-69000 Lyon, France.
- 2 Université de Lyon, Université Claude Bernard Lyon 1, CNRS, Institut Lumière Matière, F-69622, Villeurbanne, France.
- 3 DYSAD, Institut pour l'avancée des biosciences (IAB), Centre de Recherche UGA / Inserm U 1209/CNRS UMR 5309, 38700 La Tronche, France.
- 4 CIRI, Centre International de Recherche en Infectiologie, Université de Lyon, Inserm, U1111, Université Claude Bernard Lyon 1, CNRS, UMR5308, ENS de Lyon, F-69007, Lyon, France.
* Corresponding author. Email: virginie.petrilli@lyon.unicancer.fr (V.P.); sylvain.monnier@univ-lyon1.fr (S.M.)
† These authors contributed equally to this work.
‡ These authors contributed equally to this work.
Editor's summary
パイロトーシスは、炎症によって引き起こされるプログラム細胞死の一種であり、カスパーゼ1の活性化に依存する。多様なプライミングシグナルによって活性化される多タンパク質複合体であるインフラマソームの会合は、カスパーゼ1の動員と活性化に必要である。Nadjarらは、青色光に応答するインフラマソームの中心的なアダプタータンパク質であるASCのオリゴマー形成を誘導することによってインフラマソームを活性化する光遺伝学的手法を開発した。ASCのクラスター形成は、インフラマソーム応答とパイロトーシス性の細胞膨張を発生させるための十分条件であった。このように、このツールはインフラマソームに駆動されるイベントの時間的な解明を必要とする研究を促進する可能性がある。—Amy E. Baek
要約
インフラマソームは、カスパーゼ1の活性化を調節する多タンパク質プラットフォームであり、炎症性サイトカイン IL-1βおよびIL-18の不活性型前駆体をプロセシングして、パイロトーシスと呼ばれる炎症性プログラム細胞死を引き起こす。パイロトーシスに誘導される細胞膨張など、インフラマソームに駆動される過程を調整された条件下で研究することは、パイロトーシスを活性化するシグナルが他のシグナル伝達経路も活性化するため、依然として困難なままである。われわれは、インフラマソームの活性化を時間的かつ定量的に操作するために、光に応答したオリゴマー形成が可能なインフラマソームの中心的なアダプタータンパク質であるカスパーゼ動員ドメイン含有アポトーシス関連スペック様タンパク質(apoptosis-associated speck-like protein containing a caspase recruitment domain:ASC)を用いる光遺伝学的手法をデザインした。そして、光に応答したASCのオリゴマー形成の誘導が、インフラマソームの古典的特徴を数分以内に再現するための十分条件であることを実証した。この系によって、パイロトーシス中の細胞膨張が二相から成ることが示された。この手法は、細胞死における細胞容積の調節と細胞膜の破裂の複雑な性質について生物物理学的に研究するための道を与えるものである。