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自然免疫
HIVはどのようにして抗真菌免疫を低下させるのか

Innate Immunity
How HIV Reduces Antifungal Immunity

Editor's Choice

Sci. Signal., 22 October 2013
Vol. 6, Issue 298, p. ec253
[DOI: 10.1126/scisignal.2004826]

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

S. S. Li, S. K. Kyei, M. Timm-McCann, H. Ogbomo, G. J. Jones, M. Shi, R. F. Xiang, P. Oykhman, S. M. Huston, A. Islam, M. J. Gill, S. M. Robbins, C. H. Mody, The NK receptor NKp30 mediates direct fungal recognition and killing and is diminished in NK cells from HIV-infected patients. Cell Host Microbe 14, 387–397 (2013). [PubMed]

ナチュラルキラー(NK)細胞は自然免疫系の細胞であり、標的細胞を溶解するポア形成タンパク質であるパーフォリンを放出することによって、真菌を死滅させる。しかし、NK細胞が侵入した真菌を検出する機構は、これまでに同定されていない。Liらは、がん細胞に対するNK細胞の細胞毒性を仲介することがこれまでに示されているNK受容体NKp30が、真菌病原体クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)およびカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の認識を仲介することを報告している。NKp30は、初代ヒトNK細胞と、培養ヒト白血病NK細胞であるYT細胞の表面に存在し、YT細胞とC. neoformansのあいだに形成される免疫シナプスに局在した。NKp30に結合するモノクローナル抗体は、YT細胞によるC. neoformansおよびC. albicansの殺滅を阻害し、NKp30のノックダウンによっても同様の阻害が認められた。このモノクローナル抗体はまた、真菌の細胞壁成分およびC. neoformansと競合してYT細胞に結合し、C. neoformansに対するYT細胞応答に関与するシグナル伝達経路の活性化を阻止した。このモノクローナル抗体はさらに、C. neoformansに応答したYT細胞および初代ヒトNK細胞からのパーフォリン放出を減少させた。C. neoformansC. albicansは、免疫抑制者において、とくにNK細胞の機能を低下させる(ただし免疫系の別の細胞種に感染する)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染者において、日和見感染症を引き起こす。HIV感染患者に由来するNK細胞では、健康なHIV陰性者に由来するNK細胞と比較して、NKp30の存在量が低下し、C. neoformansの死滅が減少し、パーフォリン放出が少なかった。HIV患者から単離されたNK細胞の機能を改善させるインターロイキン-12(IL-12)の投与によって、HIV感染患者由来のNK細胞におけるNKp30存在量は増加したが、HIV陰性者由来のNK細胞におけるNKp30存在量には影響がなかった。IL-12投与によって、HIV患者由来NK細胞のC. neoformansを死滅させる能力が上昇し、NKp30を認識するモノクローナル抗体によってこの効果は阻害された。これらの結果から、NK細胞による真菌病原体の認識と殺滅を担う受容体が同定され、HIV感染者のNK細胞に認められる抗真菌活性の低下に説明が付く。

A. M. VanHook, How HIV Reduces Antifungal Immunity. Sci. Signal. 6, ec253 (2013).

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