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味方と敵を区別する
Distinguishing friend from foe
Sci. Signal. 17 Dec 2019:
Vol. 12, Issue 612, eaba5393
DOI: 10.1126/scisignal.aba5393
Annalisa M. VanHook
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA
J. M. Leech, M. O. Dhariwala, M. M. Lowe, K. Chu, G. R. Merana, C. Cornuot, A. Weckel, J. M. Ma, E. G. Leitner, J. R. Gonzalez, K. S. Vasquez, B. A. Diep, T. C. Scharschmidt, Toxin-triggered interleukin-1 receptor signaling enables early-life discrimination of pathogenic versus commensal skin bacteria. Cell Host Microbe 26, 795-809.e5 (2019).doi:10.1016/j.chom.2019.10.007pmid:31784259.
CrossRef PubMed Google Scholar
Y. Xing, S. Naik, Baby's first bacteria: Discriminating colonizing commensals from pathogens. Cell Host Microbe 26, 705-707 (2019).
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毒素の刺激による免疫シグナル伝達は、新生仔マウスが無害な皮膚定着菌と潜在的病原体を区別するのを助ける。
要約
共生細菌と組織常在性免疫細胞との相互作用は、共生生物に対する寛容と、病原体に対する免疫の両方を促進する。寛容は、共生生物に対する免疫応答を抑制する制御性T細胞(Tregs)の発生に依存する。これは、組織に初期の定着が起こる新生児期において特に重要であり、生物は、無害な種と病原性の種とを区別できなければならない(XingとNaikによる解説記事参照)。Leechらは、合成ペプチド抗原を発現する、皮膚共生細菌である表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)の菌株を定着させた新生仔マウスが、多数の抗原特異的Tregsを産生し、成体期にS. epidermidisの皮膚感染によって曝露を受けた際に、炎症から保護されることを見出した。同じ合成ペプチド抗原を発現する、病原性共生生物(潜在的病原体)である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の菌株を定着させた新生仔マウスは、抗原特異的Tregsが少なく、成体期のS. aureusによる曝露時に炎症を呈した。トランスクリプトーム解析によって、インターロイキン-1β(IL-1β)シグナル伝達が、これら2つの菌種によるTregsの刺激の違いに関与することが示され、S. aureusによって刺激された骨髄由来ミエロイド細胞は、S. epidermidisによって刺激された細胞より多くのIL-1βを分泌した。IL-1Rノックアウトマウスでは、野生型マウスと比較して、S. aureusの定着により抗原特異的Tregsの数が増加したが、S. epidermidisが定着したマウスでは、IL-1Rノックアウトが抗原特異的Tregsの数に影響を及ぼさなかった。IL-1βの分泌を刺激するα-毒素を産生しないS. aureus株は、野生型株より多くのTregsを刺激し、S. epidermidisが定着した新生仔の皮膚に精製α-毒素を塗布すると、抗原特異的Tregsの産生が低下した。このように、毒素によって誘発される免疫シグナル伝達が、新生仔が無害な細菌と有害となる可能性のある細菌とを区別できるようにしている可能性がある。