好中球の群れを調整する

Coordinating a neutrophil swarm

Editor's Choice

Sci. Signal. 04 Aug 2020:
Vol. 13, Issue 643, eabe0797
DOI: 10.1126/scisignal.abe0797

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

H. Poplimont, A. Georgantzoglou, M. Boulch, H. A. Walker, C. Coombs, F. Papaleonidopoulou, M. Sarris,Neutrophil swarming in damaged tissue is orchestrated by connexins and cooperative calcium alarm signals.Curr. Biol. 30, 2761-2776.e7 (2020). Google Scholar

M. Palomino-Segura, A. Hidalgo, Immunity: Neutrophil quorum at the wound. Curr. Biol. 30, R828-R830(2020). Google Scholar

Ca2+およびATPシグナル伝達が、創傷部位での好中球の自己組織化した集団的挙動を制御する。

要約

好中球は、さまざまな損傷関連分子パターン(DAMP)やその他の走化性因子によって、組織損傷の部位に動員され、創傷部位では協調的挙動を示す。自律的な走化性から集団的挙動(集簇)へのこの切り替えは、ロイコトリエンB4(LTB4)に依存し、細菌のクオラムセンシングによって誘発される挙動を連想させる(Palomino-SeguraとHidalgoを参照)。In vivoの好中球集簇を追跡するために、Poplimontらは、蛍光Ca2+センサーと5-LOの蛍光標識体を発現するゼブラフィッシュを作製した。5-LOはLTB4生合成に必要な酵素であり、特に好中球において、活性時に核膜に移行する。無菌創傷に遊走する好中球は、時折Ca2+フラッシュを示したが、細胞が創傷部位に集合した後に、シグナルの強度と持続時間がともに増大した。LTB4生合成が最も強いCa2+フラッシュと相関し、好中球が、損傷した組織または創傷部位にすでに存在する他の好中球と接触すると、両方の反応が発生した。Ca2+警告シグナル、LTB4生合成、好中球の集団形成は、ATPによってゲート開閉される細胞膜チャネルを介するCa2+流入と、コネキシン43(Cx43)ヘミチャネルを介する好中球からのATP放出に依存したことから、ATPが、集簇を開始する創傷由来DAMPと、集団的挙動を増幅する好中球由来シグナルの両方として作用することが示唆された。蛍光標識緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の存在下の創傷では、好中球が、無菌創傷で認められるものと同じ走化性および集団的挙動を示し、創傷から細菌を速やかに除去した。しかし、Cx43のドミナントネガティブ体を発現させると、Ca2+シグナル伝達、集合形成、細菌除去が低下した。感染を防ぐこれらの集団的挙動が創傷回復過程で減弱し、組織損傷が回避される仕組みは、依然として不明である(Palomino-SeguraとHidalgoを参照)。

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